| 番 号 | 特 選 5 句 | 俳 号 | |
| 1 | 三寒の後の四温を待つ齢 | まこと | |
| さりげなく寒暖の変化を上手に詠まれています。 | |||
| 下五の齢が生きています。 | |||
| 7 | シルバーカー押してリハビリつくし出ず | 髙 越 | |
| 闘病中の愁いがよくわかります。 | |||
| あきらめないでくださいとつい口でます。 | |||
| 9 | 春寒や震災のこと思ふ日々 | 楓 花 | |
| この季節になると思い出します。忘れないでと東北の方が | |||
| テレビ画面でお話ししていたのを記憶しています。 | |||
| 14 | 蒼天の真っ只中の梅見かな | 髙 越 | |
| 梅の花には蒼空がよく似合います。 | |||
| 梅見の景がよく伝わってきます。 | |||
| 30 | 電飾を脱ぎて銀杏の芽吹きかな | 髙 越 | |
| 対象をよく観察されてるなと思いました。 | |||
| 番 号 | 入 選 20 句 | 俳 号 | |
| 2 | それぞれにおもいを胸に卒業す | 哲 朗 | |
| 8 | 蔦若葉古木にからみ輝けり | 初 霜 | |
| 10 | 懐かしき幼時の覇気や寒稽古 | 峰 生 | |
| 16 | 東塔の工事最中や春の風 | 浩 風 | |
| 20 | 締め切りの催促きたり春炬燵 | 泉 | |
| 22 | 被災より一年経てど春遠く | 菜の花 | |
| 23 | 老木の芽吹きに宿るひとしずく | 旅 風 | |
| 26 | 白煙の霞隠れの紙の町 | 媛 香 | |
| 27 | 雪催(ゆきもよい)今宵は煮豆早々と | 楓 花 | |
| 31 | 幾年か悔いを重ねし蕗のとう | 旅 風 | |
| 32 | 栄転も左遷もありて山笑う | まこと | |
| 34 | 金堂の修理終えたる春の雨 | 浩 風 | |
| 35 | 大震災明日(あした)を信じ春を待つ | 泉 | |
| 36 | 丹前も縫い呉れた義母一周忌 | 峰 生 | |
| 37 | 初物の土筆タケノコ届きけり | さつき | |
| 39 | 咲いて落ち咲いては落つる椿かな | まこと | |
| 40 | 草餅を食べて語らう真民碑 | さつき | |
| 41 | りんりんに乗りて挨拶春日あぶ | 初 霜 | |
| 42 | 山笑ふ787の飛び来たる | そらまめ | |
| 43 | はらからの集ふ大和路山笑ふ | 浩 風 | |

| 花水木先生のコメント |
| 切れ字の中で「や」は断切感の強い切れ字とされ、 |
| 上五に良く使用されます。いかにも俳句らしくなるのですが |
| 「霾や万物みんな薄化粧」のように季語を説明する句となります。 |
| できれば避けたいです。「水仙や荒れ庭の中凛と咲く」 |
| 水仙やで切れますので、水仙の季語と関わりない |
| 説明をされたら佳句になります。 |
| また「や」を「の」にして「水仙の荒れ庭の中凛と咲き」 |
| とすれば句切れないし、句柄が多きくなります。 |
| 「泣きべそをかきし子らも旅立てり」 |
| は句材も良く意味はよくわかります。 |
| 旅立てりは季語ではありませので「入学」「就職」の |
| 季語を充てればと思います。 |
| 例えば「泣きべその故郷を出て「入学」(就職)す」です。 |
| ☆☆☆ 花水木 ☆☆☆ |