1月分 25句選 |
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明けましておめでとうございます。 |
早いもので若草句会は4年目を迎えました。皆さまのご協力により若草 |
句会が発展してきたことはご同慶の至りです。 |
さて、私の添削と寸評ですが、昨年までは若草句会発足時には初心者の |
方が多かったので、なるべく全部の句について添削と寸評をするよう心 |
がけてきました。しかし若草句会も3年を径て初心者であった方も俳句 |
というものが少しづつ分かってきたと思います。そこで今年から特選5句、 |
入選20句、そのほか問題句などについて若干とりあげてたいと思っています。 |
ご了承の程よろしくお願いします。 |
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特選 5句 |
お米屋の軒に一列寒雀 |
(まこと) |
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「お米屋」と「寒雀」と取り合わせがよい。 のどかな光景。 |
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深深と静かに積もる里の雪 |
(石の花) |
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しんしんと雪が積もって静まりかえる故郷。美しい光景。 |
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子供等に竹馬教えて友となる |
(峰 生) |
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子供等に竹馬教えている。そのうち童心の帰り子供らと一緒に竹馬に |
興じるのである。 |
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冬枯の小道てくてくとうりゃんせ |
( 泉 ) |
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童謡の1節「とうりゃんせ」がよい。懐かしい小道。 |
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新桶の木の香匂う初湯かな |
(コスモス) |
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新桶の木の香の匂う初湯かな |
道後温泉の初湯は新しい桶を使います。新桶の匂いがぷんぷんして |
正月気分に浸かります。 |
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入選 20句 |
口紅が少し濃いめの松の内 |
(千 柳) |
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大寒の水豊なり手すき和紙 |
( 泉 ) |
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菜の花やマラソン人の赤きシャツ |
(そらまめ) |
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初詣奉納吟を納めけり |
(浩 風) |
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電車待つ凩荒む通過駅 |
(媛 香) |
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一村をまるごと包む初明り |
( 越) |
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楼門の雪解雫に頬打たる |
(コスモス) |
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末吉のお神籤結ぶ寒桜 |
(さつき) |
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寄生木(やどりぎ)のあまた宿りぬ冬木かな |
( 越) |
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白菜に友の名ありて里の市 |
(楓 花) |
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寒椿亡父が愛でた庭に咲き |
(菜の花) |
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蝋梅の今が活け時老母訪ふ |
(楓 花) |
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共白髪いつか傘寿の春明けり |
(峰 生) |
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成人式不況の風も華やいで |
(菜の花) |
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松過ぎてそっと秤に乗ってみる |
(千 柳) |
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四年目やパソコン上の初句会 |
(いなご) |
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神主の手より上がりぬとんどの火 |
(浩 風) |
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悴んで朝湯の列に並びけり |
(コスモス) |
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百万の水仙揺れる岬かな |
(いなご) |
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寒木瓜のほつほつ赤き蕾かな |
(いなご) |
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問題句 |
黄水仙眺め飛び行く冬カモメ |
(竹 豪) |
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季重ねです |
初景色大師の池や閑かなる |
(媛 香) |
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「初景色」は新年の季語、「閑か」は春の季語です。 |
水仙の匂い撮れと接写する |
(そらまめ) |
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中六です |
初みくじ孫に引かせる爺と婆 |
(まこと) |
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「孫」と「爺と婆」は付き過ぎです |
メールにてあいさつするも賀状出し |
(そらまめ) |
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詩情に欠けます |
今年こそ昨日の吾に今日は勝つ |
(竹 豪) |
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物がありません |