平成 20年 1月 1日〜平成 20年 1月20日 投句分
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互 選 句
第 37回 披 講
1月分 25句選  
 
 明けましておめでとうございます。
 早いもので若草句会は4年目を迎えました。皆さまのご協力により若草
句会が発展してきたことはご同慶の至りです。
 さて、私の添削と寸評ですが、昨年までは若草句会発足時には初心者の
方が多かったので、なるべく全部の句について添削と寸評をするよう心
がけてきました。しかし若草句会も3年を径て初心者であった方も俳句
というものが少しづつ分かってきたと思います。そこで今年から特選5句、
入選20句、そのほか問題句などについて若干とりあげてたいと思っています。
ご了承の程よろしくお願いします。
 
特選 5句
  お米屋の軒に一列寒雀  (まこと)
     「お米屋」と「寒雀」と取り合わせがよい。 のどかな光景。
 
  深深と静かに積もる里の雪 (石の花)
     しんしんと雪が積もって静まりかえる故郷。美しい光景。
 
  子供等に竹馬教えて友となる (峰 生)
     子供等に竹馬教えている。そのうち童心の帰り子供らと一緒に竹馬に
     興じるのである。
 
  冬枯の小道てくてくとうりゃんせ ( 泉 )
     童謡の1節「とうりゃんせ」がよい。懐かしい小道。
 
  新桶の木の香匂う初湯かな (コスモス)
  新桶の木の香の匂う初湯かな
     道後温泉の初湯は新しい桶を使います。新桶の匂いがぷんぷんして
     正月気分に浸かります。
 
入選 20句
   口紅が少し濃いめの松の内 (千 柳)
   大寒の水豊なり手すき和紙 ( 泉 )
   菜の花やマラソン人の赤きシャツ (そらまめ)
   初詣奉納吟を納めけり (浩 風)
   電車待つ凩荒む通過駅 (媛 香)
   一村をまるごと包む初明り ( 越)
   楼門の雪解雫に頬打たる (コスモス)
   末吉のお神籤結ぶ寒桜 (さつき)
   寄生木(やどりぎ)のあまた宿りぬ冬木かな ( 越)
   白菜に友の名ありて里の市 (楓 花)
   寒椿亡父が愛でた庭に咲き (菜の花)
   蝋梅の今が活け時老母訪ふ (楓 花)
   共白髪いつか傘寿の春明けり    (峰 生)
   成人式不況の風も華やいで (菜の花)
   松過ぎてそっと秤に乗ってみる (千 柳)
   四年目やパソコン上の初句会 (いなご)
   神主の手より上がりぬとんどの火 (浩 風)
   悴んで朝湯の列に並びけり (コスモス)
   百万の水仙揺れる岬かな (いなご)
   寒木瓜のほつほつ赤き蕾かな        (いなご)
 
問題句
  黄水仙眺め飛び行く冬カモメ      (竹 豪)
    季重ねです
  初景色大師の池や閑かなる      (媛 香)
    「初景色」は新年の季語、「閑か」は春の季語です。
  水仙の匂い撮れと接写する       (そらまめ)
    中六です
  初みくじ孫に引かせる爺と婆      (まこと)
    「孫」と「爺と婆」は付き過ぎです
  メールにてあいさつするも賀状出し   (そらまめ)
    詩情に欠けます
  今年こそ昨日の吾に今日は勝つ    (竹 豪)
    物がありません