平成 20年 2月1日〜平成 20年 2月20日 投句分
番号        選 句 & 披 講 俳 号 得 票
1 池一つわが物として残り鴨 まこと 3 票
(楓 花) 池一つを悠々と泳いでいる残り鴨の様子、目に浮かびます。
(彰 子) 残り鴨が池を独占して悠然と泳いでいる。のびやかな光景。
(そらまめ)池を占領した気分?面白い表現ですね。
 
2 枕経終る遠くに冬怒濤 彰 子 2 票
(いなご) 怒濤の様に押し寄せる悲しみが伝わってきます。
(峰 生) 一つの命の終えんを、遠い荒波に包むってすごいです。
 
3 雑踏の立春大吉友と遇ふ 楓 花
 
4 炬燵の周り駆ける子の冷たき手 そらまめ 2 票
☆ 幼な子は手が冷たくても平気なのです。
(峰 生) 子供の頃弟達と同じことをして叱られてたね。
(媛 香) 炬燵、冷たき手、と冬の季重ねですが炬燵の周りを
      駆けめぐる子供の可愛い活発さが見えるようで頂きました。
 
5 春立つと予報士の声弾みおり まこと 3 票
(楓 花) 暦の上での春とは言え、希望が感じられますね〜
(千 柳) 思わず笑みも洩れるでしょう
(石の花) 春来るのは、皆楽しいものですね。
 
6 ひえびえと胸をも浸す石狩峠  泉 
 
7 風邪の神ちょっと油断し大暴れ 哲 朗 1 票
(そらまめ)風邪にやられた気分・・・そのとおりですね。
 
8 風冴えて銀の石鎚カメラする そらまめ
☆ 寒風が雲を吹き飛ばしてくれました。
 
9 幽谷の奥に眠れる滝凍る 石の花 4 票
( 越) 流れの音も消え、氷結した滝の景が目に浮かびます
(菜の花) 荘厳ですネ
(まこと) 格調の高いすばらしい句と思います。
(媛 香) 現実に観なければ出来ないお句、眠れる滝に惹かれました。
 
10 凍てついた夜を彷徨うホームレス 千 柳 1 票
(ゆづき) 松山にもホームレスが居るのかな〜
 
11 大根の首はねて居る空青し 浩 風 2 票
(いなご) 畑でよく見る光景ですね。
(そらまめ)首をはねると、とうが立ちにくいのです。ひょうきんな格好ですね。
 
12 春寒や琴の音ゆるき考古館 峰 生 4 票
( 泉 ) 寒き春でも“琴の音ゆるき”で気持が温まるようです。
(彰 子) 「琴の音ゆるき」に「春寒」の季語がよく効いています。
( 越) 寒々とした考古館に待春の感が琴の音からも感じられます
(さつき) とても好きな一句です。
 
13 強東風や波白々ととんび舞う 浩 風
 
14 蒼い地球凍えた月を照らし出す 峰 生 1 票
(石の花) 月の世界からの景色を詠っていますね。
 
15 亡き人に尋ねたきことあり帰り花 石の花 2 票
(いなご) 季語がいいと思います。
(さつき) 季語の使い方がいいですね。
 
16 堀端の水面に映えし垂れ梅 菜の花 3 票
(哲 朗) きれいな情景です。
( 越) 堀端の梅も老木に鞭打って咲きました
(コスモス)枝垂れ梅のほのかな色が池面に美しい。
 
17 友病しひたすらおもふ春来るを  泉  1 票
(ゆづき) 忠さんを思い出す
 
18 金比羅宮紅梅の香や裏参道 媛 香
 
19 足湯して伊予路半ばの徒(かち)遍路  越 7 票
(浩 風) 寒い道中、暖を取っての一休み、いいですね。
( 泉 ) 疲れた足を湯でほごし又、頑張って歩いて下さい。
(千 柳) 足湯をすると真から温もる
(いなご) 足の疲れを治しほっとしているお遍路さんが見えます。
(峰 生) 同行二人の旅はいつどこまで続くのだろう。
(コスモス)満願寺まではまだ遠い道程がありますね。
(まこと) 足湯とお遍路さんの取り合わせが面白いです。
 
20 母白寿野辺に送りて二月尽 コスモス 2 票
(浩 風) 私の母も白寿でしたが、5年前の3月でした。思い出します。
(媛 香) 白寿のお母様を野辺に…二月尽悲しみが伝わります。
      永久に生きていて欲しいものです母親って。
 
21 縁側で絵を描く老母日脚伸ぶ そらまめ 6 票
☆ 絵を描くのは呆け防止に効くようです。
(楓 花) 穏やかな風景に季語が似合っていますね。
(彰 子) 年をとっても好きな絵に精出している。
      見習いたい。いつまでもお元気で。
(哲 朗) 気持ちよく縁側で絵を描く姿が目に浮かびます。
( 越) 暖かい縁側で描くお母さんの姿に季語が良くマッチ
(峰 生) 背中を丸めた優しい状景が浮かびます。
(まこと) お姿が見え季語もよくきいています。
 
22 薄らいの下を流るる瀬音かな 石の花 2 票
( 泉 ) 春氷の下のチョロチョロと流れる音がきこえてくるようです。
(コスモス)薄氷、静かな瀬音綺麗な句です。
 
23 日は高し土筆だれの子土手に風 峰 生 1 票
(菜の花) 早く暖かくなるといいですね
 
24 笹子鳴く湯築城址の庭にかな  越 3 票
(浩 風) いい一時ですね。
( 泉 ) のどかな光景が浮かびます。
(哲 朗) あちこちで笹子の鳴く様子が出ています。
 
25 福あれと大判振る舞い豆をまき 菜の花 1 票
(コスモス)豪勢な豆まきですね。大きい福が来ますよ。
 
26 立春や子葉辞世の句碑を訪ひ さつき 3 票
☆ 2月4日は子葉(大高源五)の命日です
( 泉 ) 句碑を訪れ良く勉強されていますね。
(彰 子) 簡明に詠んでいて景がよくわかります。
(石の花) 句碑を訪ねて吟行もいいですね。
 
27 冬帽子耳まで隠しパン買ひに 楓 花
 
28 梅日和ゆるり輪を描く二羽の鳶 いなご 4 票
(浩 風) 穏やかな景ですね。
(菜の花) 穏やかですネ
(コスモス)2羽の鳶、梅日和の空の広いこと。
(石の花) 二羽の鳶がいいですね。
 
29 舳先よりかもめ飛翔つ浅き春 浩 風
 
30 笹鳴きに近づく影の一歩づつ 彰 子 3 票
(浩 風) 少しでも近くで見たい気持ち解ります。
(千 柳) 驚かさないように
( 越) 鳴き声は聞こえるが姿は見えない。離れるとついて来る。
 
31 亡き子にもバレンタインのチョコレート いなご 3 票
(楓 花) 先立っていった子は、いつまでもその当時のまま。
      その子にもチョコレートを贈ってあげましょう。
(さつき) ご子息様への深い愛情が伺えます。
(ゆづき) 母の心が偲ばれる、切ない!
 
32 学童の声はしやぎて雪の朝 千 柳 1 票
(媛 香) 通学児は雪が珍しいのでしょうね、はしゃいでいる様子が
      聞こえて来るようです。
 
33 税申告済ませてよりの椿祭 コスモス
 
34 すれちがう子等の挨拶息白し 哲 朗 4 票
(千 柳) 元気元気
( 越) 元気良く挨拶出来る登校児に会うと気持ちがいい。
      息の白さに季節が感じられる。
(菜の花) 寒い朝の可愛い様子が伺えます
(さつき) 明るい子供達の挨拶が聞こえて来ますね。
 
35 夕暮はいつもやさしく白椿  泉  1 票
(峰 生) 町角を曲がり我が家のそれを見るとほっとする。
 
36 舗装路を割り生ふタンポポ丈短か コスモス 4 票
(楓 花) たくましいタンポポに力をもらいましょう!
(千 柳) 生命力の神秘
(まこと) たくましいタンポポがよく表現されています。
(媛 香) 中八ですが何のそのタンポポの生命力に目を向けられた
      ところに脱帽です。コンクリートを割って生えてきているのです。
 
37 南南東黙々食べる恵方巻き 媛 香 2 票
(さつき) 一本全部?・・・大丈夫でしたかしら。
(ゆづき) 今年は恵方巻きは食せず、幸せが逃げるかな?
 
38 洋服に付きてまた消え春の雪 いなご 2 票
(哲 朗) 春の雪は降ってもすぐ解けてしまいますね。
(菜の花) 春の淡雪、ロマンチックですネ
 
39 つれ添いし啄む鳩の春近し さつき 1 票
(石の花) ほほえましい光景ですね。
 
40 転倒をそばで見ている雪だるま 哲 朗 7 票
(楓 花) 雪だるまに見られてしまった転倒場面!  
(いなご) 「だらしないなあ」と雪だるまに笑らわれているみたいですね。
(彰 子) 雪だるまが笑っているよう。微笑ましい光景。
(菜の花) 面白い発想ですね
(コスモス)雪中の転倒はすぐには戻れません。雪だるまが笑っているかも
(そらまめ)雪だるまの前でスッテンコロリン、それをクスッと笑って
         見ているあなた。
(ゆづき) 凍てついた道で転んだら、雪だるまが笑ってる、ユーモラスですね。
 
41 大空にオブジェを描く冬木かな さつき 3 票
( 泉 ) 冬木をオブジェと捉えたことがステキですね!
(千 柳) やがて芽を吹く春が来る
(まこと) 冬木をうまく捉えています。
 
42 紅梅のバックに真白き天守閣 竹 豪 1 票
(哲 朗) 紅梅と白壁の取り合わせが良いです。
 
43 道問いつ今朝晴れやかに梅の里   峰 生 1 票
(石の花) 探梅に道を尋ねつついいですね。
 
44 水仙の真白や沖に遊漁船  越 1 票
(いなご) 近景と遠景の取り合わせがいいと思います。
 
45 自分へもバレンタインのチョコ一つ 楓 花 3 票
(媛 香) 良いですね自分にもバレイタインのチョコレートを…
      男性の方かしら?女性の方かしら?今は女性から男性に贈るとは
      限らないそうですよ。
(そらまめ)ちょっと奮発して舶来のチョコを(^o^)。
(ゆづき) 誰もくれない、侘びしいですね!
 
46 八十路まで霜焼けするも亡母(はは)ゆずり まこと 3 票
(彰 子) 霜焼けも体質を受け継ぐのでしょうか。
(哲 朗) 46:しもやけは年齢に関係ないようです。
(峰 生) 懐かしいというか情けないというか遺伝子のいたずらめ! 
 
47 冬鵙や一椀ほどの母の骨 彰 子 1 票
(さつき) 私も母のことを思い出し一椀ほどのがとても良いですね。
 
48 大寒も一寸刻みで春が来る 竹 豪
 
49 波静か舟に群がる冬カモメ 菜の花 1 票
(浩 風) いい景ですね。
 
50 咲き誇る寒さに耐えて黄水仙 竹 豪
 
51 鬼やらひ七ツと三ツ豆を食ぶ 媛 香 2 票
(まこと) 齢のほど豆を食べることも出来ませんね。
(そらまめ)73粒も食べるのは無理、7+3とやりましたか、名案です。
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第38回 披 講