平成 20年 2月 1日〜平成 20年 2月20日 投句分
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互 選 句
第 38回 披 講
2 月 分 選句と寸評    
 
     2 月 分  25句選
 
  松山では椿祭りが終らないと春がこないと言いますが、その 
 後も寒い日が続きました。私の郷里(尾道)では東大寺2月堂 
 の御水取り(3月13日)が終ると春が来ると言います。 
 (「御水取り」は春の季語) 
  2月は逃げると言いますが、はやくも3月になります。 
  梅が咲き鶯が鳴きよい気節になりますので出かけて句作りに 
  努めてください。 
 
番号  特選  5句  俳 号
    池一つわが物として残り鴨  まこと
      残り鴨が池を一人占めして悠然と泳いでいる。
      のびやかな光景。
21     縁側で絵を描く老母日脚伸ぶ  そらまめ
      年をとっても好きな絵に精出している。見習いたい。
      いつまでもお元気で。
26     立春や子葉辞世の句碑を訪ひ  さつき
      簡明に詠んでいて詩情がよく分かります。
40     転倒をそばで見ている雪だるま  哲 朗
      雪だるまが笑っているよう。微笑ましい句。
46     八十路まで霜焼けするも亡母ゆづり  まこと
      霜焼けも体質を受け継ぐのでしょうか。母を偲ぶ。
 
 入選  20句 
    幽谷の奥に眠れる滝凍る  石の花
12     春寒や琴の音ゆるき考古館  峰 生
13     強東風や波白々ととんび舞う  浩 風
16     堀端の水面に映えし垂れ梅  菜の花
19     足湯して伊予路半ばの徒遍路   越
20     母白寿野辺に送りて二月尽  コスモス
22     薄らいの下を流るる瀬音かな  石の花
24     笹子鳴く湯築城址の庭にかな   越
27     冬帽子耳まで隠しパン買ひに  楓 花
28     梅日和ゆるり輪を描く二羽の鳶  いなご
29     舳先よりかもめ飛翔つ浅き春  浩 風
31     亡き子にもバレンタインのチョコレ−ト  いなご
32     学童の声はしやぎて雪の道  千 柳
33      税申告済ませてよりの椿祭  コスモス
      (椿祭は松山地方では春の季語)
34     すれちがう子等の挨拶息白し  哲 朗
35     夕暮はいつもやさしく白椿   泉 
38     洋服に付きてまた消え春の雪  いなご
41     大空にオブジェを描く冬木かな  さつき
44     水仙の真白や沖に游魚船   越
49     波静か船に群がる冬カモメ  菜の花
 
 問題句 
    炬燵の周り駆ける子の冷たき手     そらまめ
         「炬燵」「冷たき」は冬の季語で季重ね.
    風冴えて銀の石鎚カメラする       そらまめ
        「カメラする」は無理です。
15     亡き人に尋ねたきことあり帰り花   石の花
        中九です。  
25     福あれと大判振る舞い豆をまき    菜の花
        中八です。  
37     南南東黙々食べる恵方巻き      媛 香
        「恵方巻き」は季語ではありません。
42     紅梅のバックに真白き天守閣     竹 豪
        中八です。  
48     大寒も一寸刻みで春が来る      竹 豪
        「大寒」「春」季重ね。中八です。  
50     咲き誇る寒さに耐えて黄水仙     竹 豪
        「寒さ」「水仙」季重ね。