彰 子 の 4月分 25句選
 
春爛漫です。NEONの花見は薄曇りで無風。花は散り始めたところで
風情のある楽しい花見ができました。
元気で生きていることの幸せをしみじみ感じるひとときでした。
いろんな花が咲き、いろんな木々が芽吹き自然の移ろいを
つくづく感じます。
今月は花の俳句が沢山ありました。 自然としっかり向き合い自然と
語らって俳句を作るよう心掛けてください。
 
 特選 5句
  7.花の宴賑わう隅で稚児眠る まこと
       花の宴は歌も飛び出し盛り上がる。かたわらでは稚児が
       安らかに眠っている。情況の取り合せがおもしろい。
 
 24.鯉のぼり風と戯るビルの上 菜の花
       都会では鯉のぼりを見掛けなくなりましたが、ビル
       の上では鯉のぼりが颯爽と泳いでいる。ビルの上に着眼
       したのが良い。  
 
 26.花を背ににわか舞台の舞扇 さつき
       花に酔い酒に酔い踊りに酔いしれる至福のひととき。
 
 31.ちいちいと雀の学校春の畦  泉 
       好きな句です。農村での和やかなひとこま。
 
 44.菜の花や大名屋敷資料館 媛 香
       簡明な句。菜の花が咲き誇る中に立派な大名屋敷資料館
       が建っている。
       「菜の花」と「大名屋敷資料館」との取り合せが良い。
 
 入選 20句
  1.カメラ持ち微笑み交わす春帽子 石の花
  2.里山を風すくすくと山笑う  泉 
  3.散る花の浴びて倉敷橋渡る 媛 香
  5.叱られて泣く子の肩に花吹雪 峰 生
  6.剪定の心配無用ふじ芽吹く そらまめ
  8.名も知らぬ山の頂上遅桜 哲 朗
  9.潔さ競うがごとく桜散る 千 柳
 10.熊野路を抜けて明るき花の山 楓 花
 15.乾盃のコップに残る落花かな いなご
 20.尾道は古刹の宝庫著莪の花 コスモス
 21.シャボン玉息細長く吹きにけり いなご
 23.借景の椿にこころ癒さるる 初 霜
 27.初燕迷わずに来る無人駅 まこと
 28.白き根も見えて窓辺のヒヤシンス いなご
 30.俳句ネタ句帳に溢る四月馬鹿 まこと
 36.花桟敷構え昼寝の新社員 千 柳
 37.春の野にウルトラマンと戯るる さつき
 38.明日はもう雨かも知れぬ花疲れ 楓 花
 40.花曇り猫のブロ−チ目が光り 初 霜
 41.寂光に彩を添え紫木蓮 コスモス
    
  問題句
 11.乗り換えて九十九折道遍路バス
       「九十九折」とは幾重にも曲がりくねった坂道のことで
       「九十九折道」とは言わないと思います。
 
 14.春の波のたりのたりと酒の瓶
       のたりのたりが「春の海」にも「酒の瓶」にもかかります。
 
 16.震度七起震車揺れる花吹雪
       三段切れになっています。
 
 47.遊覧船鳥羽の島々海うらら
       船・島・海と言い過ぎです。簡明に詠みましょう。
          
平成 20年 4月 1日〜平成 20年 4月20日 投句分
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第 40回 披 講