平成 20年 5月 1日〜平成 20年 5月20日 投句分
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互 選 句
第 41回 披 講
5月分  25句選
 
 5月はツヅジ、サツキにつづいてキリ、フジ、アジサイと
 つぎつぎと花が咲きました。
そして風薫るなか新緑が次第に色濃くなっていきます。
 私はこの5月が一年のうちでもっとも好きな気節です。
季題にはこと欠きません。
 
特 選  5 句
番号 選 句 と 寸 評 俳号
 4 剥落の白き土蔵や桐の花 いなご
立派な土蔵も痛みが激しく一部土壁となる。そこに桐の花
    が咲いている。剥落した土蔵と桐の花の取り合せがおもしろい。
      
20 五月雨や大吊橋を揺られ行く さつき
五月雨で遠くはかすんでよく見えない。しかしこういった
風景も趣があってよいものである。
 
23 耳付きの青磁に生けしぼたんかな いなご
青磁に生けた牡丹が映える。心をこめて生けたのであろう。
満ちたりたひととき。
 
27 口ずさむ幼稚園児の鯉のぼり 哲 朗
かわいらしい子供が見えてきます。健やかに育ってほしいと願う。
 
34 一人居の変わらぬままの夏簾 まこと
独居老人にありがちな情景です。元気をだして頑張ります。
 
入 選  20 句
春雷の激しき後の静けさよ     菜の花
角までと友に送られ薔薇の路 楓 花
鉄棒の子のはねあげし春の泥 コスモス
若者の肌にシャワ−が弾けとぶ 千 柳
放牧の九重高原草萌ゆる さつき
縄電車乗客満員山笑ふ 媛 香
新樹光薄き紅さす道祖神 コスモス
伽羅蕗のレシピを添えて届きけり さつき
15 二の丸にお薄いただき樟若葉  越
19 黄昏に卯の花やさし奥の院 峰 生
21 雨ふりぬ一家総出の早苗月  泉 
24 チュ−リップ色も背丈も似通つて 千 柳
25 勺薬の蕾のまろし山の風 浩 風
30 サングラス外して通る文京区 千 柳
31 それぞれの色の若葉や松山城 いなご
35 芍薬の花集ふるカメラマン 浩 風
41 ボ−ル蹴る三兄弟や葱坊主 まこと
44 燕来る兄弟男ばかりなり 媛 香
46 さくらんぼ頬張りながら友と摘む 楓 花
48 ジャズライブ桜若葉の宮の庭  越
 
 問 題 句
 
33 爽やかに皐の空に泳ぐ鯉  泉 
「爽やか」秋の季語、「皐月」は夏の季語で
季重ねです。
 
45 お地蔵の前垂れ花柄風薫る コスモス
中八です。