平成 20年 9月 1日〜平成 20年 9月20日 投句分
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互 選 句
第 45回 披 講
            9月分 25句選
 
 9月は暦上では白露、重陽、十五夜と過ぎ去っていきます。
そして秋は食欲の秋、読書の秋、芸術の秋、スポーツの秋などと言われます。
 スポーツの秋と言えば北京パラリンピックでの日本選手の活躍に感動と
勇気を貰いました。長い間、恵まれない条件のもとでの並々ならぬ努力を
思わずにはおられませんでした。
 俳句は感動を詠む短詩型の文芸です。少し汗をかきなが
地道につづけていきましょう。
 若草句会は「季重ね」「中七」にこだわって選をしております。
了解のほどよろしくお願いします。
 
番号    特 選  5 句 俳 号
窓越しの風に秋冷ありにけり いなご
   厳しかった残暑もやっと秋めいてくる。窓越しの風が心地良い.
16 夕食の後の五千歩ちちろ鳴く  越
   ちちろの鳴き声に誘われて散歩する。いつまでもお元気で。
44 ニアミスは恋の仕草か群れとんぼ まこと
   ユーモアがありおもしろい。楽しい句です。
33 朝市の旬の鱸が競られをり コスモス
   鱸が銀色に輝いて競られている。秋の鱸は大変旨い。
45 ひと雨の一挙に秋を呼びにけり さつき
   厳しかった残暑もやっと秋めいてくる。ほっとする。
 
   入 選  20 句 俳 号
漁火の仄かにゆるる初嵐  泉 
  「 ゆるる」に添削
11 踏み入りし竜神平秋の風  泉 
  中八なので中七に添削
15 このカフエのこの椅子が好き秋の午後 楓 花
17 カンパスにレトロな駅舎秋深む まこと
18 名月や愛でて語らう妻の顔 石の花
19 浮御堂水に映えたる星月夜 媛 香
   「浮見堂を「浮御堂」に直す
20 鏡見て出かける夫の敬老日 いなご
22 深夜まで奏でる虫の二重奏 さつき
23 一輪の白菊手向け師の句碑に 媛 香
24 秋燈下赤い表紙の子規俳句 いなご
25 法師蝉夏の終わりを告げに来る 千 柳
27 花束にメッセージあり敬老日 浩 風
31 夕焼けや夕餉の膳を紅(あか)く染め さつき
35 無花果を買ひて無花果貰ひけり 楓 花
36 秋の蝿エレベーターに紛れ込み 哲 朗
37 斎場に粛々として菊香る 千 柳
38 愛用の帽子出番の秋の旅 コスモス
39 秋日和金婚の賞いただきぬ 浩 風
42 久々の雨大根を蒔きにけり 浩 風
43 コオロギの何処からと鳴くころころと 菜の花
 
   問 題 句
夜のしじま鹿鳴く声や東大寺
    三段切れになっています。
小野川の涸れてをりけり秋茜
   「川涸れる」は冬の季語で、季重ねにります。
28 秋のうみ汽笛を聞けばターナ島
   「海」「汽笛」「ターナ島」と言い過ぎです。
40 無花果やしこく遍路のお接待
   「無花果」は秋の季語。「遍路」は春の季語で季重ねになります。