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9月分 25句選 |
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9月は暦上では白露、重陽、十五夜と過ぎ去っていきます。 |
そして秋は食欲の秋、読書の秋、芸術の秋、スポーツの秋などと言われます。 |
スポーツの秋と言えば北京パラリンピックでの日本選手の活躍に感動と |
勇気を貰いました。長い間、恵まれない条件のもとでの並々ならぬ努力を |
思わずにはおられませんでした。 |
俳句は感動を詠む短詩型の文芸です。少し汗をかきなが |
地道につづけていきましょう。 |
若草句会は「季重ね」「中七」にこだわって選をしております。 |
了解のほどよろしくお願いします。 |
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番号 |
特 選 5 句 |
俳 号 |
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8 |
窓越しの風に秋冷ありにけり |
いなご |
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厳しかった残暑もやっと秋めいてくる。窓越しの風が心地良い. |
16 |
夕食の後の五千歩ちちろ鳴く |
越 |
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ちちろの鳴き声に誘われて散歩する。いつまでもお元気で。 |
44 |
ニアミスは恋の仕草か群れとんぼ |
まこと |
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ユーモアがありおもしろい。楽しい句です。 |
33 |
朝市の旬の鱸が競られをり |
コスモス |
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鱸が銀色に輝いて競られている。秋の鱸は大変旨い。 |
45 |
ひと雨の一挙に秋を呼びにけり |
さつき |
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厳しかった残暑もやっと秋めいてくる。ほっとする。 |
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入 選 20 句 |
俳 号 |
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7 |
漁火の仄かにゆるる初嵐 |
泉 |
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「 ゆるる」に添削 |
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11 |
踏み入りし竜神平秋の風 |
泉 |
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中八なので中七に添削 |
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15 |
このカフエのこの椅子が好き秋の午後 |
楓 花 |
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17 |
カンパスにレトロな駅舎秋深む |
まこと |
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18 |
名月や愛でて語らう妻の顔 |
石の花 |
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19 |
浮御堂水に映えたる星月夜 |
媛 香 |
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「浮見堂を「浮御堂」に直す |
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20 |
鏡見て出かける夫の敬老日 |
いなご |
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22 |
深夜まで奏でる虫の二重奏 |
さつき |
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23 |
一輪の白菊手向け師の句碑に |
媛 香 |
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24 |
秋燈下赤い表紙の子規俳句 |
いなご |
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25 |
法師蝉夏の終わりを告げに来る |
千 柳 |
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27 |
花束にメッセージあり敬老日 |
浩 風 |
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31 |
夕焼けや夕餉の膳を紅(あか)く染め |
さつき |
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35 |
無花果を買ひて無花果貰ひけり |
楓 花 |
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36 |
秋の蝿エレベーターに紛れ込み |
哲 朗 |
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37 |
斎場に粛々として菊香る |
千 柳 |
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38 |
愛用の帽子出番の秋の旅 |
コスモス |
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39 |
秋日和金婚の賞いただきぬ |
浩 風 |
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42 |
久々の雨大根を蒔きにけり |
浩 風 |
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43 |
コオロギの何処からと鳴くころころと |
菜の花 |
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問 題 句 |
5 |
夜のしじま鹿鳴く声や東大寺 |
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三段切れになっています。 |
9 |
小野川の涸れてをりけり秋茜 |
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「川涸れる」は冬の季語で、季重ねにります。 |
28 |
秋のうみ汽笛を聞けばターナ島 |
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「海」「汽笛」「ターナ島」と言い過ぎです。 |
40 |
無花果やしこく遍路のお接待 |
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「無花果」は秋の季語。「遍路」は春の季語で季重ねになります。 |