平成 20年12月 1日〜平成 20年12月20日 投句分
      12月分 選句と披講
 早いもので若草句会の四年目が終ろうとしています。
 私は例年に習って冬至粥を食べ柚湯に暖まって早々に寝ました。
 このところ冬支度であれこれ忙しい日々が過ぎて行きます。
 さて、多くの人が自分はいつまでたっても俳句がうまくならない。また、なかなか
俳句が作れないと悩み、俳句を止めようと考えたことがあると思いますが、決して
そうではありません。皆さんは確実にうまくなっています。自信をもってください。
“継続は力なり?と言います。長いスパンで考えましょう。
 今年の漢字一字は「乱」でした。来年は良い年であってほしいと願はずには
おられません。
 どうぞ良いお年を迎えられますようお祈り致します。
番号     特選 5句 俳 号
10 夫の手の出番の多き師走かな さつき
  婦唱夫隋が家庭円満の秘訣。
12 枯菊の賞の名残もなかりけり 哲 朗
  栄枯盛衰は世の習い。賞を貰った菊も枯れると哀れ。
15 古里のこの池が好き鴨も好き さつき
  海が好き鴨が好きと畳み掛けて詠んだところが良い。
22 砥部焼の湯湯婆(ゆたんぽ)並ぶ金物屋  越
  砥部焼の湯湯婆を金物屋に」並んでいるのがおもしろい。
40 陵の堀に陣なす浮寝鳥 いなご
  浮寝鳥がまるで陵を守るように陣をなしている。
番号    入選  20句 俳 号
1 小春日や足湯に並ぶ影法師 哲 朗
2 芭蕉忌や「奥の細道」あるきたし 媛 香
3 キラキラと光のシャワー聖誕祭  泉 
5 冬紅葉褒めて今年の別れとす 楓 花
7 忘年会月も微笑む帰り道 菜の花
8 目標に千歩足らずや蜜柑剥く  越
9 通過駅右往左往の落紅葉 まこと
11 落日のヨットハーバー虎落笛(もがりぶえ) そらまめ
18 笹鳴きやふと立ち止まる寺の坂 いなご
27 冬の雁群れて湖面のざわめける コスモス
29 煮凝りと聞けば亡父の手酌酒 さつき
32 紅葉より人と車の嵐山 菜の花
33 汽笛鳴る城下の町や山粧(よそ)う そらまめ
34 波除けのどの一つにも冬鴎 まこと
35 腰痛の手術まぬがる霜夜かな 浩 風
37 極月のパソコン日記打ち納む コスモス
38 被爆地のブロンズ像に木の実降る 媛 香
42 同窓も老いて集へりしぐれ宿 峰 生
46 退院の大安晴天年の暮 浩 風
47 年の瀬やゴミ収集のオルゴール コスモス
番号      問題句
20 ラジオ鳴る妻を合方障子貼り
    「合方」は「相方」  三段切れになると思います。
24 人生に定年はなき去年今年
    具象性にかけます。
30 夕暮れやざわめきの中年暮るる
    具象性にかけます。
36 夜半の風寺井に桜落葉かな
    かな止めの場合は切らずに最後まで詠みきる。
44 いろいろと多かりし年暮れんとす
    具象性にかけます。
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互 選 句
第 48回 披 講