| 3月分選句と披講 | ||
| 今年は暖冬で、17日には松山での統計史上最も早い桜の | ||
| 開花宣言が出されました。 本格的な春の到来を感じさせます。 | ||
| 自然に触れ合う好機の訪れであります。 | ||
| 折にふれ俳句を作ってみてはいかがでしょうか。 | ||
| 番号 | 特 選 5 句 | 俳 号 |
| 7 | 麗らかや時刻正しき花時計 | コスモス |
| 手入れが良いのであろう、咲き誇る花時計が美しい。 | ||
| そして時刻を正確に刻んでいるのである。 | ||
| 11 | 春の野にジャンケンポンの靴の跡 | さつき |
| のどかな春の野で楽しく遊んでいたのであろう。ジャンケンポンの | ||
| 靴のあとが無数についている。微笑ましい句。 | ||
| 12 | 春風や昇段決まる帯の色 | 越 |
| 精進の甲斐あって念願の黒帯になる。喜びひとしお。春風が心地良い。 | ||
| 23 | 園児等の願いを込めし流し雛 | 哲 朗 |
| 園児らの手作りの雛が願いを込めて次々と流されて行く。 | ||
| 微笑ましい情景が見えてくる。 | ||
| 32 | 落ちてなお輝きのある椿かな | いなご |
| 椿の花は落ちてもなお美しいものです。しばし眺めて | ||
| 感慨に更けるのである。 | ||
| 番号 | 入 選 2 0 句 | 俳 号 |
| 4 | 黄砂降る日本列島包み込む | 媛 香 |
| 5 | 春雷に頭抱えて走り込む | 石の花 |
| 6 | 昨年の発芽は今日と花日記 | 千 柳 |
| 9 | 春の夕菩薩のごとき師を仰ぐ | 泉 |
| 10 | 太陽に向かひて咲きぬ黄水仙 | 浩 風 |
| 14 | 句の一つ悩む一日や地虫出ず | まこと |
| 15 | 巣立つ子の未来を夢に春立ちぬ | 泉 |
| 18 | 病床に猫の恋路がけたたまし | 千 柳 |
| 22 | 咲きゐたる彼岸桜や主亡し | 浩 風 |
| 24 | 菜の花やリズムを刻む耕耘機 | そらまめ |
| 25 | 三月やピンクの服の似合うひと | 哲 朗 |
| 26 | 春泥や野点帰りのおんな下駄 | 越 |
| 29 | 塀越しに物々交換春隣 | コスモス |
| 30 | 目に浮かべ心に描き初桜 | 楓 花 |
| 34 | 縄張りのあるやも知れず鴨の陣 | 媛 香 |
| 39 | 手作りの卵豆腐や山椒の芽 | いなご |
| 41 | 海水を舐めて春なる潮かな | 浩 風 |
| 44 | 鶯の声の彼方をさがしけり | 哲 朗 |
| 45 | 春の宵窓に映りし月の影 | 菜の花 |
| 46 | しばし手を休め楽しむ落椿 | さつき |
| 番号 | 問 題 句 | |
| 1 | 白鷺の飛び立つ雄姿春の川 | |
| 「白鷺」は夏の季語、「春の川」は春の季語で季重ねです。 | ||
| 2 | 菜の花や入り江は夕日のミュージアム | |
| 中八です。 | ||
| 17 | 水温む白鳥ゆったり尾を引いて | |
| 「水温む」は春の季語、「白鳥」は冬の季語で季重ねです。 | ||
| 27 | 白鷺がヒョイと飛び立つ花曇 | |
| 「白鷺」は夏の季語、「花曇」は春の季語で季重ねです。 | ||
| 35 | 花の芽がもういいかいと顔を出す | |
| 「花の芽」という季語は私の歳時記にはありません。 | ||
| 36 | 卒園児にがほとゆめをカプセルに | |
| 「卒園児」は季語ではありません。 | ||
