平成 21年 3月 1日〜平成 21年3月20日 投句分
      3月分選句と披講
 
今年は暖冬で、17日には松山での統計史上最も早い桜の
開花宣言が出されました。 本格的な春の到来を感じさせます。
自然に触れ合う好機の訪れであります。
折にふれ俳句を作ってみてはいかがでしょうか。
 
番号    特 選 5 句 俳 号
 麗らかや時刻正しき花時計 コスモス
  手入れが良いのであろう、咲き誇る花時計が美しい。
  そして時刻を正確に刻んでいるのである。
11  春の野にジャンケンポンの靴の跡 さつき
  のどかな春の野で楽しく遊んでいたのであろう。ジャンケンポンの
  靴のあとが無数についている。微笑ましい句。
12  春風や昇段決まる帯の色   越
  精進の甲斐あって念願の黒帯になる。喜びひとしお。春風が心地良い。
23  園児等の願いを込めし流し雛 哲 朗
  園児らの手作りの雛が願いを込めて次々と流されて行く。
  微笑ましい情景が見えてくる。
32  落ちてなお輝きのある椿かな いなご
  椿の花は落ちてもなお美しいものです。しばし眺めて
  感慨に更けるのである。
 
番号   入 選 2 0 句 俳 号
 黄砂降る日本列島包み込む 媛 香
 春雷に頭抱えて走り込む 石の花
 昨年の発芽は今日と花日記 千 柳
 春の夕菩薩のごとき師を仰ぐ
10  太陽に向かひて咲きぬ黄水仙 浩 風
14  句の一つ悩む一日や地虫出ず まこと
15  巣立つ子の未来を夢に春立ちぬ
18  病床に猫の恋路がけたたまし 千 柳
22  咲きゐたる彼岸桜や主亡し 浩 風
24  菜の花やリズムを刻む耕耘機 そらまめ
25  三月やピンクの服の似合うひと 哲 朗
26  春泥や野点帰りのおんな下駄  越
29  塀越しに物々交換春隣 コスモス
30  目に浮かべ心に描き初桜 楓 花
34  縄張りのあるやも知れず鴨の陣 媛 香
39  手作りの卵豆腐や山椒の芽 いなご
41  海水を舐めて春なる潮かな 浩 風
44  鶯の声の彼方をさがしけり 哲 朗
45  春の宵窓に映りし月の影  菜の花
46  しばし手を休め楽しむ落椿 さつき
 
番号    問 題 句
 白鷺の飛び立つ雄姿春の川
  「白鷺」は夏の季語、「春の川」は春の季語で季重ねです。
 菜の花や入り江は夕日のミュージアム
  中八です。
17  水温む白鳥ゆったり尾を引いて
  「水温む」は春の季語、「白鳥」は冬の季語で季重ねです。
27  白鷺がヒョイと飛び立つ花曇
  「白鷺」は夏の季語、「花曇」は春の季語で季重ねです。
35  花の芽がもういいかいと顔を出す
  「花の芽」という季語は私の歳時記にはありません。
36  卒園児にがほとゆめをカプセルに
  「卒園児」は季語ではありません。
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互 選 句
第 51回 披 講