平成 21年 4月 1日〜平成 21年4月20日 投句分
戻る
互 選 句

ご質問がありましたのでここで回答いたします。

 (質問)
 4月句(45番)[燕の子競って口開け親を待つ]
       中八と指摘されましたが、小文字の場合でも一字と
       見なされるのでしょうか?

      (回答)「読んで楽しむ俳句16週間」松田ひろむ著より抜粋
 
        俳句の形 字余りについて
 俳句は575が基本ですが、「字余り」とは5が6音になったり、
7音になったりするものです。字余りには韻律(リズム)の問題
もあって難しい問題です。
曼殊沙華(まんじゅしゃげ)は5音です。
字数の数え方
 575を数えるのに初心者の方は指を折って数えます。指を折って
数えるのに「きゃ」「ちゅ」などの拗音、「かっぱ」など「っ」で
表される促音、「カー」などの長音の扱いだけを注意しておきましょう。
 「京都」(きょうと)「よ」を「よ」と数えると4字ですが、実際には
3音です。小さい「や」「ゆ」「よ」は数えないと覚えておきましょう。
ですから「東京都」は5音です。
 つまる(促音)の「かっぱ」は3字3音、「さっぱり」は4字
4音で、促音は「つ」を数えるのです。
 長音では「おばあさん」と表記される「お婆さん」は、発音
では「おばーさん」で5音、「カーレース」は5音となるように、
長音は1音に数えます。
 4月分 選句と披講
 例年より桜が早く開花した道後公園でのNEONの花見、
桜が降りしきるなか楽しいひと時を過ごしました。
 散策には心地良い時候になりました。身近に美しい自然が
豊富にあります。感じたことを句に詠んでみましょう。
番号          特 選 5 句 俳 号
荷台から筍のぞく長話 コスモス
  長話を筍がのぞくようにして聞いているという、おもしろい句。
16 遠山の景を背にして麦を踏む  泉 
  美しいそして厳しい田園風景がよく見える。
29 指さして数える庭の初桜 いなご
  大事に手入れしている我が家の記念樹、花にそっと触れながら
  数えるのである。
38 残り鴨我が物顔に水尾を引く まこと
  残り鴨が我が物顔に泳いでいるという。楽しい光景。     
47 花びらを吸うて吐き出す鯉の口 媛 香
  鯉の仕種を良く観察したおもしろい句。
番号           入 選 20 句 俳 号
旧友と集い嬉しく花疲れ  峰 生
12 夕桜妻と二の丸庭園に   越
13 遠足の子等小走りに横断す  いなご
15 展望の喫茶満席花疲れ  媛 香
19 楠若葉映えて古城は悠然と  峰 生
20 しゃぼん玉無数の玉に孫の顔  哲 朗
21 姫行列につかず離れず花の城 コスモス
22 描き上げてほっと一息山笑う  まこと
23 キャンパスの春満喫す影法師   泉 
26 春の昼リハビリ室の鼾かな  まこと
32 仁王門くぐりて見ゆる紫木蓮  哲 朗
33 部屋の名は躑躅(つつじ)とありて阿蘇の宿   楓 花
35 見上げればしだれ桜や昼の月  さつき
36 鯉群れてゆらりゆらゆら花筏  媛 香
37 新しき名刺を作る四月かな  いなご
40 桜蘂(しべ)降るや会計監査終へ   楓 花
41 咲き誇る醍醐の桜妻と見る  浩 風
44 花吹雪浴びる弁当我も浴び   哲 朗
48 四万十の鯉ゆうゆうと五月晴れ   泉 
17 たこ焼きの半分ずつの花見かな  さつき
番号          問 題 句
新緑がビルの谷間で春謳う
    「新緑」「春」と季重ねです。また句意が良く分かりません
椿落つ一陣の風無情かな
    かな止めの場合は途中で切らずに詠みきる
チューリップ閉ず明かり一つの幼稚園
    中十です。
(申告により訂正します) 本句は、7−7−5 と 計算され問題は
                ありませんでした。
14 山腹を大きくえぐりて山笑ふ
    中八です。
45 燕の子競って口開け親を待つ
    中八です。
第 52回 披 講