9月分選句と披講
 
 秋は月がもっとも美しいといわれてをり、
その代表的な季語に「月」があります。
「主要季語」である「月」の「一般季語」には
「初月、二日月、三日月、新月、弦月、
夕月、宵月、夕月夜、有明月、豊の月、
遅月、月白、月夜、月の出、月光、月明り、
月影」と沢山あります。月を季題にして一句詠むのも一興です。
 
番号     特 選 5句 俳号
13 熊蝉の雄姿保ちて果てにけり コスモス  
   熊蝉は蝉の王様、死んでも威風堂々としている。
16 厚切りのパンこんがりと今朝の秋 楓 花
   食欲の秋である。厚切りのパンがこんがり焼けておいしそう。
22 赤とんぼアンパンマンの汽車が行く そらまめ
   赤蜻蛉が群れ飛ぶ中をアンパンマン列車が通り過ぎるメルヘンの風景。
38 鈴虫の鳴き継ぐ中の法話かな いなご
   鈴虫がしきりに鳴いているなか、声高い法話に聞きいっている。
40 青春の良き日良き友今朝の秋  泉 
   朝夕は涼しくなり心地良い。若かりし頃の良い思いでや良き友を思いだし懐かしむ
番号     入 選 20句 俳号
1 もつれつつ高く低くと秋の蝶 いなご
5 高原の風とささやく芒原 楓 花
6 元気かい肩で囁く秋の蝶 さつき
10 赤銅の満面笑みや敬老日 石の花
18 濡れ縁に猫の眼光る十三夜 媛 香
19 孫の背を流して残る水着あと 哲 朗
23 夢うつつ数を数える鉦叩き 石の花
24 毬栗の三つ子の肌の光りおり さつき
25 竹の春包まれ眠る無縁仏 まこと
26 耳鳴りの日がな一日法師蝉 楓 花
28 山里の友より届く丹波栗 浩 風
29 合歓の花SL走る遊園地 さつき
31 夾竹桃今しんかんと小学校 まこと
32 新米やすしネタ並ぶ誕生会 哲 朗
33 野仏のまわりに高き女郎花 いなご
34 秋めくや机上に星座早見表 まこと
35 夕空の彼方の峰を鳥帰る 石の花
36 旧友の寄せる便りも秋淋し 峰 生
41 世直しを鳩に託して稲を刈る そらまめ
42 晴れた朝鳩の羽音も爽やかに 菜の花
番号     問題句
4 穴惑ひ集団下校の列乱す
   中八です。
37 草引いて蟻王国を壊したり
   「草引く」「蟻」は共に夏の季語です。
平成 21年 9月 1日〜平成 21年9月20日 投句分
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互 選 句
第 57回 披 講