10月分選句と披講 |
秋本番です。秋は芸術の秋、読書の秋、食欲の秋などといろいろ言わ |
れます。天文学上では秋分から冬至までを言い、俳句では立秋から |
立冬の前日までを言います。紅葉前線は山頂から山腹へと下っています。 |
「山粧ふ」気節です。野山へ出掛けて錦秋を満喫しましょう。 |
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番 号 |
特 選 5 句 |
俳 号 |
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14 |
蟷螂の斧上げしまま濡れ骸 |
コスモス |
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死んでもなお蟷螂の勇姿。 |
15 |
名水の湧く町並みや山車が行く |
媛 香 |
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名水の湧く古い町並を豪華な山車が行く。賑やかさが見えるよう。 |
24 |
縁側は猫が先客日向ぼこ |
峰 生 |
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猫が日向ぼこしている。その横に並んで日向ぼこする。微笑ましい光景。 |
26 |
第2体操終わりし今朝の鰯雲 |
越 |
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ラジオ体操が終ったあとの鰯雲は一段と輝いてみえる。清清しい。 |
37 |
配られしおでん頬張る獅子の足 |
コスモス |
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獅子の足になった青年がおでんを頬張っているという楽しい句。 |
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番 号 |
入 選 20 句 |
俳 号 |
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1 |
風流と食べ時知らず柿を吊る |
峰 生 |
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4 |
コンサート余韻を残し秋の風 |
哲 朗 |
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7 |
糸瓜棚挟みて語る昭和の日 |
楓 花 |
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11 |
鳴く虫にふと流れ行く時を聞く |
峰 生 |
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12 |
彼岸花畦いちめんにいちめんに |
泉 |
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13 |
鶴姫の伝説悲し秋惜む |
浩 風 |
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16 |
佐渡訪うや湖畔に浮かぶ今日の月 |
さつき |
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20 |
湯につかり子らと団らん秋の暮 |
浩 風 |
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21 |
たわわなる柿すっぽりと夕日中 |
いなご |
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22 |
秋わびし手首が語る阿波の人形(でこ) |
そらまめ |
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25 |
仏前に語りかけたき十三夜 |
さつき |
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27 |
傾いた案山子気になる夕間暮れ |
楓 花 |
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32 |
松山道見渡す山の薄紅葉 |
媛 香 |
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35 |
大渦に揚がる歓声秋澄めり |
そらまめ |
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36 |
茶房にも秋の七草一枝づつ |
さつき |
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38 |
運動会どよめき聞きつ畑仕事 |
まこと |
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40 |
山裾に煙たなびく秋の暮 |
いなご |
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41 |
宍道湖に沈む夕日や走り蕎麦 |
越 |
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42 |
手招きの如く揺れてる杜鵑草(ホトトギス) |
媛 香 |
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45 |
秋澄むや松山城の高きこと |
菜の花 |
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番 号 |
参 考 |
30 |
太鼓台連なりてゆくふさの数 |
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「太鼓台」は愛媛俳句歳時記にあります。 |