
| 12月分選句と披講 | |||
| 時の立つのは早いもので、今年もはや師走となり、私の家から見える | |||
| 淡路ヶ峠の紅葉もすっかり茶褐色になりました。 | |||
| 若草句会も5年が経過し,一つの節目なりますが、みなさんが上手になられたので | |||
| 私としても大変うれしく思います。 | |||
| 今年の漢字一字が「新」であるように私達も心身ともに新たに良いお年をお迎え | |||
| ください。 | |||
| 番号 | 特 選 5句 | 俳 号 | |
| 1 | 餅つきに揃う家族の笑ひかな | 浩 風 | |
| 賑やかに親子が集まって餅搗きをする。搗き立ての餅がおいしそう。 | |||
| 11 | 黄葉(もみじ)する銀杏大樹の瑞応寺 | 越 | |
| 瑞応寺の大銀杏の黄葉は有名。眼にみえるようです。 | |||
| 20 | 沢庵や母の味には追いつけず | さつき | |
| 母の沢庵は大変おいしい。我が家の秘伝。 | |||
| 26 | 時雨くる山には山の匂いあり | さつき | |
| 時雨で山が薄暗くなる。山の匂いが漂っているよう。 | |||
| 28 | 寒晴れや一朶(いちだ)の雲が坂の上 | そらまめ | |
| 晴れ渡り今日は冷え込む。一朶の雲が松山城の上に流れる美しい景。 | |||
| 番号 | 入 選 20 句 | 俳 号 | |
| 2 | 又届く喪中はがきや木の葉髪 | いなご | |
| 4 | 焼却に車連ねて年の暮 | 浩 風 | |
| 5 | 夕暮れの苺ハウスの灯りつく | 媛 香 | |
| 6 | ひと間だけ灯もし一人の冬ごもり | さつき | |
| 9 | 冬日背にベンチで話す姉妹かな | いなご | |
| 13 | うらはらに答えしあとやそぞろ寒 | まこと | |
| 14 | 知らぬ間に年の瀬向かひ気づく我 | 泉 | |
| 15 | マリーナのマストざわめく冬の海 | そらまめ | |
| 19 | 年の瀬や皆気忙しき街の人 | 峰 生 | |
| 22 | 冬桜鉱山電車発車せり | 浩 風 | |
| 23 | 前撮りの和服に映ゆる冬紅葉 | 越 | |
| 24 | 客を待つ狭庭の落ち葉またも掃く | コスモス | |
| 25 | 干し柿や物干し竿に吊されし | 媛 香 | |
| 29 | すれ違う子等のあいさつ息白し | 哲 朗 | |
| 30 | 茶話会に集い賑やか事納め | 石の花 | |
| 33 | あれやこれメモ書きにして年用意 | いなご | |
| 34 | 年かさね億劫となり年用意 | 哲 朗 | |
| 35 | サッカー少年声きびきびと冬田晴 | 越 | |
| 36 | 干し柿を吊るすそこだけ明るくて | 楓 花 | |
| 38 | 落葉散り掃き寄せたるに風に舞う | 石の花 | |
| 番号 | 問 題 句 | ||
| 7 | 冬晴れの坂ゆるゆると神楽坂 | ||
| 「坂」と「神楽坂」が重なるので「神楽坂」を違う名詞にするとよい。 | |||
| 21 | 捨て水に木の葉一枚凍ててをり | ||
| 「木の葉」「凍て」は共に冬の季語で季重ねです。 | |||
| 32 | 冬うらら幼児の笑顔乳母車 | ||
| 三段切れです。 | |||
| 40 | 街路樹のイルミネーション裸木に | ||
| 樹と木が重なっています。一つは省略しましょう。 | |||