平成 21年12月 1日〜平成 21年12月20日 投句分
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互 選 句
第 60 回 披 講
12月分選句と披講
 時の立つのは早いもので、今年もはや師走となり、私の家から見える
 淡路ヶ峠の紅葉もすっかり茶褐色になりました。
 若草句会も5年が経過し,一つの節目なりますが、みなさんが上手になられたので
私としても大変うれしく思います。
 今年の漢字一字が「新」であるように私達も心身ともに新たに良いお年をお迎え
ください。
 
番号      特 選 5句 俳 号
1 餅つきに揃う家族の笑ひかな 浩 風
   賑やかに親子が集まって餅搗きをする。搗き立ての餅がおいしそう。
11 黄葉(もみじ)する銀杏大樹の瑞応寺  越
   瑞応寺の大銀杏の黄葉は有名。眼にみえるようです。
20 沢庵や母の味には追いつけず さつき
   母の沢庵は大変おいしい。我が家の秘伝。
26 時雨くる山には山の匂いあり さつき
   時雨で山が薄暗くなる。山の匂いが漂っているよう。
28 寒晴れや一朶(いちだ)の雲が坂の上 そらまめ
   晴れ渡り今日は冷え込む。一朶の雲が松山城の上に流れる美しい景。
 
番号      入 選 20 句 俳 号
2 又届く喪中はがきや木の葉髪 いなご
4 焼却に車連ねて年の暮 浩 風
5 夕暮れの苺ハウスの灯りつく 媛 香
6 ひと間だけ灯もし一人の冬ごもり さつき
9 冬日背にベンチで話す姉妹かな いなご
13 うらはらに答えしあとやそぞろ寒 まこと
14 知らぬ間に年の瀬向かひ気づく我
15 マリーナのマストざわめく冬の海 そらまめ
19 年の瀬や皆気忙しき街の人 峰 生
22 冬桜鉱山電車発車せり 浩 風
23 前撮りの和服に映ゆる冬紅葉  越
24 客を待つ狭庭の落ち葉またも掃く コスモス
25 干し柿や物干し竿に吊されし 媛 香
29 すれ違う子等のあいさつ息白し 哲 朗
30 茶話会に集い賑やか事納め 石の花
33 あれやこれメモ書きにして年用意 いなご
34 年かさね億劫となり年用意 哲 朗
35 サッカー少年声きびきびと冬田晴  越
36 干し柿を吊るすそこだけ明るくて  楓 花
38 落葉散り掃き寄せたるに風に舞う 石の花
番号      問 題 句 
7 冬晴れの坂ゆるゆると神楽坂
   「坂」と「神楽坂」が重なるので「神楽坂」を違う名詞にするとよい。
21 捨て水に木の葉一枚凍ててをり
   「木の葉」「凍て」は共に冬の季語で季重ねです。
32 冬うらら幼児の笑顔乳母車
   三段切れです。
40 街路樹のイルミネーション裸木に
   樹と木が重なっています。一つは省略しましょう。