平成 22年 7月 1日〜平成 22年 7月20日 投句分
花水木選
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互 選 句
[花水木先生]の25句選 
7月 25 句 選
  
今回[彰 子]先生の後にお願いした[花水木]先生は
皆さん初心者の域を脱していると感じられており
かなり自由に作句して、その句の意味を
読者に感じてもらうことに主眼をおいておられるようです。
従って後記の質門解答のようなお考えとご意見に
見られるようなことです。
皆さんもそれを踏まえて作句推稿をして
また、読者もそれを踏まえて詠んで頂ければ幸いです。
この句会を楽しく、長続きする会にしたいと思います。
皆さんのご協力方よろしくお願いいたします。
 また、先生には今後もご自由に推稿添削をお願い
 したいと思います。よろしくお願いいたします。
[システム管理者]
  
番号      特 選 5 句 俳 号
友も老い病む夜を静か初夏の風 石の花
◎ 生老病死はさけて通れませんが
  さわやかな初夏の風が救いです。
18 夏山や夫に手渡すカンロ飴 いなご
◎ さりげなく夫婦愛をよく詠まれています。
22 線路まで風の悪戯夏帽子 媛 香
◎ 中七の風の悪戯が見事です。
27 田水張る逆さの吾を連れ歩く まこと
◎ 逆さの吾に気付かれた着眼点が素晴らしいです。
29 遠き日の恋の余韻や合歓の花
◎ うらやましい限りです、合歓の花が
  よくあっていると思います。
 
番号    入 選 20 句 俳 号
団扇持ち若沖の墓訪ねけり いなご
突然の別れ早はやしや青しぐれ
11 梅雨明けて遠くにはしゃぐ子等の声 菜の花
12 にがうりのほどよき頃をもぎにけり 浩 風
14 目はなれてますます怖し肝試し 哲 朗
16 傘寿来て今年また買う夏帽子 まこと
20 踏み跡の窪みを埋める余り苗 コスモス
21 昼下がり鼻唄歌い鮨つける 石の花
23 朝顔の鉢の並びし投票場 いなご
24 噴水が気合いを入れる梅雨晴れ間 そらまめ
28 竿売りの間延びする声梅雨明ける コスモス
30 田舎バス母娘二人は夏の風邪 峰 生
32 昨夜(よべ)の雨胸に抱えて花南瓜 さつき
33 開け放つ部屋いっぱいの青田風 コスモス
34 師は逝きぬテープの声や古扇 峰 生
36 霊峰にホラ貝響く山開き さつき
38 水田に灯り点るやビルの影 菜の花
39 初蝉や生命しみじみ共白髪 峰 生
41 住む人の消えし社宅や枇杷熟るる  越
43 梅雨晴れ間わが足弱り畦の道 石の花
 
番号  先月の問題句についての質門と解答
質門
16 無人駅友を見送る立葵
   ◎ 助詞を省略すれば佳句です。
   助詞に[に]を入れたのは三段切れになるので入れました。
解答   
   一句の中で3ケ所切れている句を三段切れといい
   そのうち名詞で切れているものを三段切れ、名詞以外の
   切れ字で切れているものを三句切れといわれております。
   山口素堂の「目に青葉山ほととぎす初鰹」はあまりにも有名です。
   おたずねの句については「友を見送るために無人の駅に佇った
   とき惜別の情を立葵と共有しました」とよめましたので
   無理に[に]は省略したら如何かと思いました。
   俳句の作句上の技法については、いろいろ勉強してきたことの
   お考えがあって当然ですので、私の考えにあまりこだわらず
   こんな意見もあるのかと流して下さい。
質門   
20  [梅雨入り]と[緑]
21  [麦秋]と[コンバイン]
   これは季重になるのではないでしょうか?
   季重はどんな場合に可能なのでしょうか。
解答    
  基本的には使わないのがよろしいのです。 
  季重ですが一方の季語を主として片方の季語を従とする
  使い方はよく見受けられます。
  例えば草間時彦の句に「夕支度春菊摘んで胡麻摺って」があります。
第 67 回 披 講