平成 23年 4月 1日~平成 23年 4月20日 投句分
番 号 特 選 5 句 俳 号  
神妙に春泥はらふ兄弟(あにおとと) まこと  
遠き日を思い出されている様子がよく分かります。
それにしても殆ど舗装されてこのような光景が懐かしいです。
霾や石鎚連峰消え失せる 媛 香  
道後平野から眺めているいつもの景が黄砂によって
  変化した状景を上手に詠まれています。 
12 蘖(ひこばえ)や津波くぐりしこの命 髙 越  
樹木の根元や切り株から新しい芽が吹き出すのが蘖ですが
  中七、下五とよく合っています。
  苦難に耐えて生きていこうとの気持ちがよくわかります。
44 復興の光もとめて春の闇  
茫然と立ち尽くしたあの日から今、負けまいとする強い
意志の表れです。
48 盃の桜の花も飲み干せり さつき  
待ち遠しかった桜の花の下での情景が目に浮かびます。
下五の断定が効果的です。
    
番 号 入 選 20 句 俳 号  
春愁や夫の忌終えてカラス鳴く さつき  
天空に大型クレーン揚雲雀 哲 朗  
10 ニラの花朝日を受けてそっと咲く 初 霜  
13 震災に黙祷して花の宴 そらまめ  
17 蕗味噌があれば一人の昼餉菜 さつき  
19 今掘りし筍迷わず買いにけり コスモス  
21 ブランコをゆすっていたっけ遠き春  
23 麗らかや店番いつも陶狸 コスモス  
25 風早の舟は鹿島へ落とし角 髙 越  
26 子規の句をつぶやいてみる彼岸寒 まこと  
27 矢取川堤あふるる花菜かな 髙 越  
28 桜舞う腕白仲間の同窓会 旅 風  
31 ランドセル弾む背中に桜舞う 旅 風  
32 子等走る川土手に群れ呼子鳥 石の花  
35 仲間想い心は晴れぬ花見かな 旅 風  
36 春雨の細き未練や何時晴れる 峰 生  
39 垂れ桃真っ赤に燃えて塀の上 菜の花  
40 そら豆の花黒いシーツの上で咲き 菜の花  
45 青い空初花見そめ指を指す 初 霜  
46 春愁や親指ばかり伸びる爪 楓 花  
今月のコメント
「蚕豆の花」と「蚕豆」の句が
出されていますがそれぞれ
「蚕豆の花」は春で「蚕豆」は夏の季語です。
当季を詠まれるとすれば 
その季語を大切にしたいです。  
 
 ☆☆☆ 花水木 ☆☆☆
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第 76 回 披 講