平成 23年 12月 1日~平成 23年 12月20日 投句分
番 号 特 選 5 句 俳 号  
鴛鴦の波紋ひろがる水の蒼  
寒いこの季節の水面の様子を蒼と詠まれていて
  作者の手馴れれの程が伝わります
18 陋屋に語ることなき柿ひとつ 旅 風  
柿を部屋の空間に配することにより静謐な気持ちを
  よく詠まれています。
28 穂芒のひねもす風をあそびをり まこと  
中七の「風を」と詠まれていて秋の野原の景が
  よく伝わってきています。
31 復興を目指す絆や新(あら)走り 髙 越  
今年米で作った新酒を酌みながら絆を大切に、復興して
  欲しいとの作者の希いです。 
32 冬帽に髪も齢もかくしけり まこと  
目深にかぶって少ない髪と皺の多くをみせたくないですね。
  同感です  
   
番 号 入 選 20 句 俳 号  
星空に聖樹の飾り喜寿向かう 石の花  
枯葉舞う人なき里の日暮れ道 旅 風  
掻き寄せる落ち葉桜の香りして 楓 花  
栴檀の実ひときわ目立ち黄金なり 菜の花  
12 時雨来て車中で拝す九軍碑 さつき  
13 だるま日を興ず人なき冬の旅 峰 生  
17 母縫いし形見となりしちゃんちゃんこ 媛 香  
19 電飾で夜空賑わすクリスマス 石の花  
20 冬桜日陰にそっと咲きにけり  
21 暮れてゆく師走の街のルミナリエ 哲 朗  
22 潮風に錆びし鉄路や石蕗の花 髙 越   
25 照紅葉燃へてダム湖の水鏡  
26 売土地のコスモス枯れしそのままに まこと  
28 穂芒のひねもす風をあそびをり まこと  
33 苔生した古刹の庭や絹時雨 そらまめ  
35 冬桜咲きてにぎわう出店かな 浩 風  
38 縁側に猫も加わる日向ぼこ    
40 本年も第九を聴いて年の暮れ そらまめ  
41 年齢忘れ飲んで唄って忘年会 菜の花  
42 銀杏降る父母眠る菩提寺に 楓 花  
    
花水木選
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互 選 句
第 84 回 披 講
花水木先生のコメント
この一年間技量の乏しい者の選句に付き合って頂き感謝いたします。
今年は3月11日の地震・津波・原発事故を日本は経験しました。
その中に 俳句を詠まれている方の現実を直感し、この苦を
乗り越えようという句に出会い、思わず目頭が熱くなりました。
日経俳壇の岩田勝氏の句で「農捨てて故郷も捨てて藷を焼く」です 
少しでもこの句境に近づけたらと思っています。
来年も宜しくお願いいたします。
 ☆☆☆ 花水木 ☆☆☆