平成 25年 8月 1日~平成 25年 8月20日 投句分
花水木選
戻る
互 選 句
 花水木先生のコメント
5番の句はカルストと石灰台地は同じ意味です。
俳句は17文字の短詩型ですので、できれば他の語を使ったら
より景が拡がると思います。
例えば [カルストや雲間に覗く天の川] でどうでしょうか。
同じように 10番の句も水不足と旱つづきも同じ事を説明されて
いると思います。
 渇水を強調したい気持ちはわかりますけれど如何でしょうか。
番 号 特 選 5 句 俳 号  
沖晴るる小さき旅の青檸檬 吾亦紅
しまなみ街道沿いのレモン園が浮かびました。
  瀬戸の海との対比が見事です。
15 地酒ゼリー板のごとくに宿浴衣 哲 朗  
糊のきいた浴衣を板のごとくとは言い得て妙です。
  地酒ゼリーで楽しい旅の思い出が一つ増えました。 
16 空蝉や瞼の奥に母の顔 旅 風  
諸行無常を想起さす佳句となりました。
  空蝉との取り合わせが旨くいっています。
27 あじさいや木魚のリズム山の寺 そらまめ  
静かな山寺の景をあじさいと木魚に託して 上手く詠って
  おられます。
33 海峡にひびく一笛夏兆(きざ)す 吾亦紅  
  船の汽笛には忙しい現代人が忘れていたものを思い出させて
  くれるものがあるようで、味のある句になっていると思います。
   
番 号 入 選 20 句 俳 号  
雲の間を追いつ追われつ夏の月 菜の花  
雲の峯一投一打に夢託し 旅 風  
滝浴びてはしゃぐ子供の笑い声  
12 馬鹿がまた母は遥かな流れ星 峰 生  
13 葦簀掛けまな板の音厨端 石の花  
14 山菜の天麩羅あまた河鹿宿 高 越  
19 霧雫してあかつきの縦走路 吾亦紅  
21 甲子園汗と涙に感動す 菜の花  
22 帰省子の帽子の似合う母子かな 浩 風  
26 横町の路地でキラキラ花火さく  
28 盆休み家族の揃ふ夕げかな 浩 風  
29 カラコロと下駄をならして祭くる  
31 菅笠の奥のお色気夜の秋 高 越  
34 カルストの台地涼しく黒和牛 そらまめ  
35 墓参り吾を迎えし道しるべ 哲 朗  
 
第 104 回 披 講