花水木先生のコメント | ||
5番の句はカルストと石灰台地は同じ意味です。 | ||
俳句は17文字の短詩型ですので、できれば他の語を使ったら | ||
より景が拡がると思います。 | ||
例えば [カルストや雲間に覗く天の川] でどうでしょうか。 | ||
同じように 10番の句も水不足と旱つづきも同じ事を説明されて | ||
いると思います。 | ||
渇水を強調したい気持ちはわかりますけれど如何でしょうか。 | ||
番 号 | 特 選 5 句 | 俳 号 | |
3 | 沖晴るる小さき旅の青檸檬 | 吾亦紅 | |
しまなみ街道沿いのレモン園が浮かびました。 | |||
瀬戸の海との対比が見事です。 | |||
15 | 地酒ゼリー板のごとくに宿浴衣 | 哲 朗 | |
糊のきいた浴衣を板のごとくとは言い得て妙です。 | |||
地酒ゼリーで楽しい旅の思い出が一つ増えました。 | |||
16 | 空蝉や瞼の奥に母の顔 | 旅 風 | |
諸行無常を想起さす佳句となりました。 | |||
空蝉との取り合わせが旨くいっています。 | |||
27 | あじさいや木魚のリズム山の寺 | そらまめ | |
静かな山寺の景をあじさいと木魚に託して 上手く詠って | |||
おられます。 | |||
33 | 海峡にひびく一笛夏兆(きざ)す | 吾亦紅 | |
船の汽笛には忙しい現代人が忘れていたものを思い出させて | |||
くれるものがあるようで、味のある句になっていると思います。 | |||
番 号 | 入 選 20 句 | 俳 号 | |
1 | 雲の間を追いつ追われつ夏の月 | 菜の花 | |
4 | 雲の峯一投一打に夢託し | 旅 風 | |
6 | 滝浴びてはしゃぐ子供の笑い声 | 泉 | |
12 | 馬鹿がまた母は遥かな流れ星 | 峰 生 | |
13 | 葦簀掛けまな板の音厨端 | 石の花 | |
14 | 山菜の天麩羅あまた河鹿宿 | 高 越 | |
19 | 霧雫してあかつきの縦走路 | 吾亦紅 | |
21 | 甲子園汗と涙に感動す | 菜の花 | |
22 | 帰省子の帽子の似合う母子かな | 浩 風 | |
26 | 横町の路地でキラキラ花火さく | 泉 | |
28 | 盆休み家族の揃ふ夕げかな | 浩 風 | |
29 | カラコロと下駄をならして祭くる | 泉 | |
31 | 菅笠の奥のお色気夜の秋 | 高 越 | |
34 | カルストの台地涼しく黒和牛 | そらまめ | |
35 | 墓参り吾を迎えし道しるべ | 哲 朗 | |