平成 25年 9月 1日~平成 25年 9月20日 投句分
番 号 特 選 5 句 俳 号  
もどりたる本に栞やつりしのぶ 吾亦紅
お礼の気持ちか、幾日もかけて愛読した結果か はたまた
  取り忘れたかを別にして ほのぼのとした気持ちにさせて
  くれ、下語の季語が合っていると思いました。
21 満月にバトン渡して入り日せり 高 越  
蕪村の「菜の花や月は東に日は西に」を想起するような
  秋の夕暮れ時の大景を詠っておられ見事です。 
22 何ひとつ載せざる湖の秋気かな 吾亦紅  
鳥も舟もさらに雲までも乗せていないとは、湖の一瞬を上手く
  切り取っておられ 季語がよく働いていると思いました。
33 芋煮会手もとを染める夕日かな  
河原での景でしょうか 箸を持つ手を上手く観察している
  様子が見え佳句となりました。
35 秋来ぬと老いに優しき風が言ふ 旅 風  
  殊の外今夏は暑かったです。待ち望んでいた気持ちがよく
  出ていると思います。
   
番 号 入 選 20 句 俳 号  
木槿咲き故郷恋し街灯り  
初めての特別警報荒れ野分 そらまめ  
鶏頭や荒れ地に独り凛と立つ 旅 風  
往く歳の祝を貰う敬老日 石の花  
天空のビリーヤードや流れ星 哲 朗  
秋遍路日暮れを急ぎ足になり  
10 ちちろ虫日が暮れるのを待ちかねて そらまめ  
12 ほうきぐさまろまろ育ちをりにけり 浩 風  
14 久々の妻と映画や敬老日 浩 風  
15 蒼天を破りて谺(こだま)鳥威し 哲 朗  
16 秋高し鳥の尾っぽのよく回り 吾亦紅  
17 螻蛄(けら)は鳴く朽ちて無人の水車小屋  峰 生  
26 天高く名誉挽回イプシロン 菜の花  
34 谷風や畦を彩る彼岸花 高 越  
36 口笛で犬に挨拶秋高し そらまめ  
 
花水木選
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互 選 句
 花水木先生のコメント
35の句の「秋来ぬと老いに優しき風が言ふ」は来ぬ(こぬ)と
読むと来(こ)ないこととなり、来(き)ぬでやっと来たの
意味となり待ち望んでいた秋がやって来たとなります。
文語文法的な説明が出来ませんが、
この例句を頭に入れておくことで参考になるのではと思います。
第 105 回 披 講