平成 25年10月 1日~平成 25年10月20日 投句分
花水木選
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互 選 句
番 号 特 選 5 句 俳 号  

川野辺に乱れて咲くや萩の花 菜の花
庭園・公園等で見る萩の花は、これから見頃を迎えます
  川野辺に見るのも格別です
東照宮のなおらひ受くる秋日和 浩 風  
日光東照宮で御神酒を頂くことに加えて、季語の働く
  上天気、崇高な一時を過ごされたと思います。 
12 秋遍路心経唱え急ぎ足 峰 生  
ギャ-ティ- ギャ-ティ- ハーラーギャティ-と唱え
  ながらの秋遍路の姿を上手く切り取っておられます。
13 魂の翳(かげ)りに赤いとうがらし 吾亦紅  
気分に暗い影がさしている時に ふと目に止まった唐辛子が
  赤く色付いていたという場面設定が見事です。
  季語がよく働いています。
17 匂ひ立つ隣家の木犀闇の中 媛 香  
  この季節、戸外に出るとどこからともなく木犀の香が漂っている
  のがわかり、闇の中では特に感じられます。
  隣家と詠まれて、特別な場所でないのが句柄に良く出ています。
   
番 号 入 選 20 句 俳 号  
秋風に虫食い木の葉も黄金色  
天高し見渡す街は子規の郷 媛 香  
夢うつつしじまを破る虫時雨 旅 風  
友逝きてコスモス百花日が沈む そらまめ  
14 神輿行く昔を醒ます力こぶ 峰 生  
15 酔芙蓉美しき落花踏むまじく 哲 朗  
16 無惨なり三原山から秋出水 そらまめ  
18 露草や散歩帰りに会ひしひと 高 越  
21 晩年の夢また楽し柚子は黄に 吾亦紅  
24 割れ目より生きる強さや彼岸花 高 越  
26 石橋の隅にぽっんと石蕗の花 哲 朗  
27 若葉マーク付けて新車や赤蜻蛉 媛 香  
30 秋曇雲間に浮かぶ天守閣 旅 風  
33 栗飯の三膳までは食えざりき 哲 朗  
36 亡き父の話題こぼるる栗おこは 高 越  
 
 花水木先生のコメント
13番の句が印象に残りました
舞台設定が旨くいっていて、唐辛子を季語としたところが
 見事です。同じ赤でも 鬼灯・花水木の実等でなく
 口に入れればピリリと辛い唐辛子を配した事で 
心緒面での効果がでていると思いました。
第 106 回 披 講