お節介マンのちょっと一言 | ||
今回も(吾亦紅)さんの披講と、ちょっと気になる句をご紹介します | ||
2.年の瀬や家路の灯りぽつぽつと | ||
冬の冷たく澄んだ空気が、家路への灯りを鮮やかにします。 | ||
街騒を離れた年の瀬の静けさを、うまく詠まれています。 | ||
3.帰り花メールに写真添付され | ||
帰り花に出会うと、ほっと気持ちが洗われるような感じに | ||
なりますね。早速お友達にもおすそ分け!。 | ||
作者の姿が見えるようです。 | ||
5.師走風シャッター通り吹き抜ける | ||
昨今、大型店におされシャッターを閉じた商店街の多い事。 | ||
師走風が、より胸にしみます。 | ||
8.廃屋の大樹それぞれ晩秋に | ||
廃屋をかこむ樹々たちだけが、堂々と晩秋の景となって | ||
ゆく--。大樹に目をつけられたのが、手柄ですね。 | ||
23.風の夜の寒柝(かんたく)一打はるかなり | ||
間遠に聞こえてくる拍子木の音、懐かしい響きです。 | ||
子供の頃の冬の夜を思いだします。 | ||
26.妻伏して食に悩める年の瀬に | ||
作者の気持ちがひしと伝わってきます。年の瀬が | ||
せつないですね。 | ||
それでも奥様のためにいろいろと思案しているのです。 | ||
<句が少し説明的なのが気になります。> | ||
年の瀬や妻伏し食にあぐねゐる | ||
年の瀬の妻伏し食に悩めける | ||
(参考ですが、こんな詠みかたもできます) | ||
余談ですが元誌友の句 | ||
白粥の白を尽せし寒さかな | ||
をふと思い出しました。 | ||
花水木先生のコメント |
33番の句ユニークな着眼点で表現力もありいい句になっているなあと思いました。 |
しかし 季語が残念なことに 中央の俳壇で認められていません。 |
愛媛県人であれば 今売り出し中の新品種の晩柑類の |
一つと言う事はすぐわかります。 |
同じ晩柑類の内のポンカンは季語となっています。 |
一句として 出来たと思ったときに原点に立ち返って季語があり 克つ適切であるか |
五・七・五 の基本形になっているか等 推敲されることをお薦めします。 |
(26番の句ですが妻伏してを妻臥辱(がじょく)としてはいかがですか) |
今年も皆様の素晴らしい句に接することが出来毎回が楽しみでした。 |
新しい年での御健吟をお祈りしています。 |
システム管理者 | ||
花水木先生には大変ご無理なお願いで3年余り | ||
主宰をお願いしました。どうも有り難うございました。 | ||
来年からは【吾亦紅】様にお願いする事としました。 | ||
【吾亦紅】様は、元(へちま)結社に所属されておりました。 | ||
現在は、フリーで楽しまれておられます。 | ||
【吾亦紅】様どうかよろしくお願いします。 | ||
皆さんよろしくお願いします。 |
番 号 | 特 選 5 句 | 俳 号 | |
1 | 撫でてみる旧蹟の碑や冬山路 | 峰 生 | |
上語の撫でてみるに作者の碑に対する想いが強く出ていて | |||
季語の冬山路の取り合わせも良く佳句となっています。 | |||
7 | 息殺し落葉の海へ足入れり | 旅 風 | |
作者の息遣いまでもこちらに伝わってくるようです。 | |||
敷き詰められた絨毯のような落ち葉を見て 思わず踏んで | |||
良いものかどうか迷われている作者、されど踏まねば前へ | |||
進めない心の葛藤を上手く詠んでおられます。 | |||
23 | 風の夜の寒柝(かんたく)一打はるかなり | 哲 朗 | |
遠き日の拍子木を首から吊し「火の用心 火の用心」 | |||
と村中を歩いて回った事を思い出します。 | |||
中七の寒柝一打が決まっていると思いました。 | |||
28 | 寒風に幟り悶えて暮れる街 | 峰 生 | |
寒風に吹きさらされている幟を見て 悶えていると詠まれた感性は | |||
は見事です。 | |||
34 | 身ほとりの枯れ深みたる水の綺羅 | 吾亦紅 | |
一幅の山水画を前におかれた気分になりました。 | |||
下五の水の綺羅が良く働いていて美しい句となっています | |||
番 号 | 入 選 15句 | 俳 号 | |
2 | 年の瀬や家路の灯りぽつぽつと | 泉 | |
5 | 師走風シャッター通り吹き抜ける | 石の花 | |
6 | 師走街くじ買う人の列長く | 菜の花 | |
10 | 風止まず何を語らふ枯尾花 | 旅 風 | |
13 | 青空に石鎚映えて冬深し | そらまめ | |
15 | 冬星座スカイツリーのすぐ上に | 哲 朗 | |
16 | お堀端電車行き交う聖樹の灯 | 泉 | |
20 | 水ぐるま音なく回り柿ひとつ | そらまめ | |
21 | 歳老いて陋屋(ろうおく)の軒煤払い | 石の花 | |
22 | 門限と慌てて帰る夕月夜 | 媛 香 | |
26 | 妻伏して食に悩める年の瀬に | 浩 風 | |
29 | 遠き日の夢恋ふ冬の鱗雲 | 吾亦紅 | |
30 | 夕暮れて家路に急ぐ小夜時雨 | 泉 | |
35 | 紅葉山分け入り走る高速道 | 媛 香 | |
36 | 小春日や子犬と散歩老夫婦 | 菜の花 | |