吾 亦 紅 様 の コメント
松山も桜の開花宣言が出されやっと春を感じるようになりました。
田舎の田んぼには土筆がたくさん顔を覗かせています。
俳句にはとても良い季節です。ノートをポケットに外へ出かけませんか。
きれいな花が、せせらぎが、鳥たちの声が呼んでいます。
互 選 句
平成 26年 3月 1日~平成 26年 3月20日 投句分
番 号 特 選 5 句 俳 号  

音信れもなく紅梅は池に散る 峰 生
作者の心象風景が読みとれるような、静かないい句ですね。

紅白に滲む梅林今朝の雨 高 越
砥部の梅林でしょうか。きれいな写生句です。
13 風紋の上に靴跡春砂丘 哲 朗  
明るい光も感じますが「春砂丘」とした作者の淡い憂愁をも
  感じられ詩的な作品に仕上がっています。
23 二つ目にそっと手が出る蓬餅 哲 朗  
甘い物を少しひかえなくてはと思いつつ ついついもう一個
  わかっているけど やめられませんよね。
33 訪ひたれば風に散り初む梅の花 浩 風  
  毎年出かける梅林、心はずませ会いに行くと、もう散るまでに
  満開であった。作者の高揚感が伝わってくるようです。
戻る
吾 亦 紅 様 の 講 評

今回は、三段切れと、「や」「けり」 「かな」の併用の句が目に付きました。

女学生 桃の節句や 媛だるま

好ましい句ではありますが、このままだと情景がまったく伝わってきません。

<すれちがう女子学生やひひなの日>
たとえばですが こんな句にしてみると 女子学生にふとお孫さんを 
 かさねられて、あぁそうだ今日はひな祭りの日よな~。といった感慨に
 ふける作者を思い浮かべることができます。
 句意がわからないので、思いつきの句で申し訳ありませんが あしからず。
 日本一 開花の便り 高知城

この句はよくわかります。ですが並べただけの感がいたします。

<開花宣言はや掲げたる高知城>
<高知城より早くも届く花だより>
 生ぬるいと思えば<いの一番の花だより>
とすれば少し俳句らしくなったとおもいますが---。どうでしょうか。 
 ぼたん雪 坊ちゃん電車 城下町
 この句もよくわかります。ですが、良い物ばかりの盛り込みすぎです。
 <旅人に春の雪舞ふ城下町>
 とか、坊ちゃん電車と城下町で別々の句を作られてはいかがでしょうか。
 これだけの句材を入れて作るのはなかなか難しいと思います。
< 三寒や灯油買い足す四温かな> 
 「や」「かな」の詠嘆の切れが一句に二つあります。
 <木蓮や白帆のごとく散りにけり>
「や」「けり」の併用は、一句の焦点が二分されてしまいますので避ける
 <旅人に春の雪舞ふ城下町>
 

*インターネットで「俳句のやかな併用止めについて」で

検索してみてください。詳しく説明されています。

  
  
番 号 入 選 15 句 俳 号  
望潮(しおまねき)に招かれ下りる干潟かな 高 越  
ポケットのしまい忘れし土筆かな  
紙雛を画鋲で留めて子供部屋 哲 朗  
12 天守閣樹木に抱かれ春を待つ 菜の花  
14 春の雪石鎚の峰輝けし  
15 満開の河津桜に鳥の群れ 石の花
 
16 ゆったりと寄せくる波や風光る 浩 風  
19 春寒や昨日の夢の回顧録 石の花  
22 片頬に三月の風と日差しかな  
24 春満月大海原に満ちあふる  
       ( 満ちあふる)を(満ちあふれ)としたい    
25 潮満ちて暮春の風にほほ打たれ 石の花  
      下五が打たれと 流していますから上五は(満潮や)としたい   
26 友逝くや無為に馬齢(とし)積み春寒し 旅 風  
27 春暁に描く航跡若田丸 高 越  
28 亡き母が愛でし深紅の八重椿 菜の花  
29 満開の河津桜や空の青 浩 風  
 
第 111 回 披 講