吾 亦 紅 様 の コメント |
松山も桜の開花宣言が出されやっと春を感じるようになりました。 |
田舎の田んぼには土筆がたくさん顔を覗かせています。 |
俳句にはとても良い季節です。ノートをポケットに外へ出かけませんか。 |
きれいな花が、せせらぎが、鳥たちの声が呼んでいます。 |
番 号 | 特 選 5 句 | 俳 号 | |
4 |
音信れもなく紅梅は池に散る | 峰 生 | |
作者の心象風景が読みとれるような、静かないい句ですね。 | |||
7 |
紅白に滲む梅林今朝の雨 | 高 越 | |
砥部の梅林でしょうか。きれいな写生句です。 | |||
13 | 風紋の上に靴跡春砂丘 | 哲 朗 | |
明るい光も感じますが「春砂丘」とした作者の淡い憂愁をも | |||
感じられ詩的な作品に仕上がっています。 | |||
23 | 二つ目にそっと手が出る蓬餅 | 哲 朗 | |
甘い物を少しひかえなくてはと思いつつ ついついもう一個 | |||
わかっているけど やめられませんよね。 | |||
33 | 訪ひたれば風に散り初む梅の花 | 浩 風 | |
毎年出かける梅林、心はずませ会いに行くと、もう散るまでに | |||
満開であった。作者の高揚感が伝わってくるようです。 |
吾 亦 紅 様 の 講 評 |
今回は、三段切れと、「や」「けり」 「かな」の併用の句が目に付きました。 |
女学生 桃の節句や 媛だるま |
好ましい句ではありますが、このままだと情景がまったく伝わってきません。 |
<すれちがう女子学生やひひなの日> |
たとえばですが こんな句にしてみると 女子学生にふとお孫さんを |
かさねられて、あぁそうだ今日はひな祭りの日よな~。といった感慨に |
ふける作者を思い浮かべることができます。 |
句意がわからないので、思いつきの句で申し訳ありませんが あしからず。 |
日本一 開花の便り 高知城 |
この句はよくわかります。ですが並べただけの感がいたします。 |
<開花宣言はや掲げたる高知城> |
<高知城より早くも届く花だより> |
生ぬるいと思えば<いの一番の花だより> |
とすれば少し俳句らしくなったとおもいますが---。どうでしょうか。 |
ぼたん雪 坊ちゃん電車 城下町 |
この句もよくわかります。ですが、良い物ばかりの盛り込みすぎです。 |
<旅人に春の雪舞ふ城下町> |
とか、坊ちゃん電車と城下町で別々の句を作られてはいかがでしょうか。 |
これだけの句材を入れて作るのはなかなか難しいと思います。 |
< 三寒や灯油買い足す四温かな> |
「や」「かな」の詠嘆の切れが一句に二つあります。 |
<木蓮や白帆のごとく散りにけり> |
「や」「けり」の併用は、一句の焦点が二分されてしまいますので避ける |
<旅人に春の雪舞ふ城下町> |
*インターネットで「俳句のやかな併用止めについて」で |
検索してみてください。詳しく説明されています。 |
番 号 | 入 選 15 句 | 俳 号 | |
1 | 望潮(しおまねき)に招かれ下りる干潟かな | 高 越 | |
6 | ポケットのしまい忘れし土筆かな | 扇 | |
8 | 紙雛を画鋲で留めて子供部屋 | 哲 朗 | |
12 | 天守閣樹木に抱かれ春を待つ | 菜の花 | |
14 | 春の雪石鎚の峰輝けし | 泉 | |
15 | 満開の河津桜に鳥の群れ | 石の花 |
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16 | ゆったりと寄せくる波や風光る | 浩 風 | |
19 | 春寒や昨日の夢の回顧録 | 石の花 | |
22 | 片頬に三月の風と日差しかな | 扇 | |
24 | 春満月大海原に満ちあふる | 泉 | |
( 満ちあふる)を(満ちあふれ)としたい | |||
25 | 潮満ちて暮春の風にほほ打たれ | 石の花 | |
下五が打たれと 流していますから上五は(満潮や)としたい | |||
26 | 友逝くや無為に馬齢(とし)積み春寒し | 旅 風 | |
27 | 春暁に描く航跡若田丸 | 高 越 | |
28 | 亡き母が愛でし深紅の八重椿 | 菜の花 | |
29 | 満開の河津桜や空の青 | 浩 風 | |