互 選 句
番 号 特 選 5 句 俳 号  

青石に金言四文字水木咲く 高 越
格調高く詠まれています。青石に刻まれている言葉と花水木の
  清清しさが、相俟って好もしい作品になっています。

石のクエ(九絵)泳ぐ庭園樟若葉 高 越
県美術館の庭園でしょうか。あの大きなクエが楠若葉の木々の
  中を泳ぐと捉えた感性に脱帽です。
14 桜咲く米寿の祝い和やかに 菜の花  
穏やかなお人柄を囲んでのお祝い。「桜咲く」の季語までが、
  ほんのり溶け込んでいるようです。益々お元気でご活躍ください。
28 孫と行くおむすび背なに桜狩  
なんともほほえましい句。小さなリュックにはおやつがいっぱい。
  さぞ楽しくていいお花見だったことでしょう。
33 人寄せてひょうたん池の花見かな 浩 風  
  ひょうたん池といったらやっぱりお花見ですね。お重にご馳走を詰めって
  もらって、子供たちだけで、お花見に行って遊んだことを、
  懐かしく思いだしました。
    
番 号 入 選 15 句 俳 号  
春満月大海原に満ちあふる  
ハイポーズ枝垂れ桜や親子連れ そらまめ  
店先の幟にひかれ桜餅 哲 朗  
花冷えし嵯峨野の道を一人ゆく    
13 咲き満ちし花のトンネルくぐりけり 浩 風  
17 先を行く妻陽炎に奪われて 哲 朗  
19 櫻舞う背中でドレミファ背負鞄(ランドセル) 旅 風  
20 玉砂利に水煙の影花御堂 高 越  
21 花冷えやじゃんけんの声威勢よし そらまめ  
22 トマト苗ナス苗求めむ列の中 浩 風  
23 高速道視野に飛び込む山桜 媛 香  
24 揚げ雲雀少しの疲れ忘れさせ  
25 桜舞う笑みもこぼれるネオン会 菜の花  
26 孫もまた姿凛々しく入学す 石の花  
32 園庭に賑やかな声春の風 哲 朗  
       
平成 26年 4月 1日~平成 26年 4月20日 投句分
 吾 亦 紅 様 の 講 評
  今回は、言葉の流れを重視してみました。
  7番 花冷えし嵯峨野の道を一人ゆく  
       花冷えの嵯峨野の道を一人ゆく  
  下5が動詞で終わっているので上5を「花冷えの」とすれば
   ずっと佳くなると思います。
    
  9番 もう嫌と止めた花壇がおのれ生え             
       もう嫌と止めた花壇の草萌ゆる             
  「おのればえ」とはよく使われる言葉ですがここは草萌ゆると
  した方が情景が綺麗なようです。
    
   31番 禽たちの花から花へ散らす花
         禽たちの花から花へ花散らす
  この句の方が言葉の流れがよいようです。
   
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第 112 回 披 講
 吾 亦 紅 様 の コメント
  特選5句とは別に
    18番 : 春じゃけに竜馬片袖海にらむ
  この句にとても興味をそそられました。春は干潮の差が激しく、土佐弁の
  「春じゃけに」が効果的はたらいて、類を見ないおもしろさを醸し出して
  います。竜馬の生き様を彷彿とさせる魅力的な一句です。
       春じゃけに竜馬潮(うしお)をふくらます
   竜馬像は一目瞭然なのでこんな句にしてみるのはどうでしょう。
   説明は一切取り除きました。
   こうすると、辺りの景・風・竜馬の力量も想像でき、句にひろがりが
   うまれると思いますが、いかがでしょう。