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第166回 披 講
第200回 披 講
最終更新日時 R 3. 8.27 PM 12. 0
令和3年8月1日〜令和3年8月20日 投句分

    

紫 陽 花 の コメント
    オリンピックが終了しパラリンピックが始まりました。コロナの蔓延が続く中での開催。
    いろいろ選択肢があったのでしょうが、中々難しい判断だったのでしょう。
    早く収まって、蔓延の収束を願いたいものです。
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夏井いつきさんの俳句バトル・俳句さく咲く等を参考に各気の付いた 
ことをコメントしていきたいと思います。会員の皆様も披講選句とは別に、各句
の気の付いたこと、また添削句を寄せて頂ければ幸いです。またその添削に対して 
の別な意見があれば寄せて頂きそれをこの画面で追加表示させて頂きます。 
従って、この画面は逐次更新していきますので次号が発表されるまで気の付いた 
ときに鑑賞して下さい。
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  とばについて 01  (オノマトペ)について
  ことばについて 02 (いろいろな詠みのことば)について
  「俳句の形と切れ」について再考
  「俳句の字あまり」について再考
各句の気の付いた点とかその他のコメントは、選句編集の
  後に付けております。ご希望の方は閲覧してください。
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番 号            特 選 5 句 俳 号
寝返れば浴衣の糊の音たちぬ 投票 4 票 べいこう
21 苧殻焚き燃え尽きるまで独り言 投票 3 票 媛 香
11 浴衣着ていつしか母の顔となり 投票 3 票 べいこう
13 今日も雨コロナはびこる立秋や 投票 3 票 菜の花
徒花(あだばな)も虫呼ぶ囮茄子の花 投票 2 票 高 越

    

番 号 入 選 10 句        俳 号
3 夏猛ける感涙メダル光りけり はなぶさ
4 夏野菜朝の楽しみボウルもち  扇 
5 病床に妻逝かむとす居待月 石ノ花
7 アイスキャンデー最後の一本に「あたり」 高 越
10 地球儀で探す国の名夏五輪 高 越
16 はまゆうや熱砂のなかで詩ごよみ べいこう
17 露の玉狭庭の草に一滴 石ノ花
18 迎え火や焚くけば我が家に亡夫着きし 媛 香
12 濁流や崖の崩れて秋出水 石ノ花
1 昨夜雨今朝は晴天風は秋 媛 香
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若草句会 掲示板
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◆ 一般的に季語の選択では現在又は少し先の季語を使うようにしたい。過去の作句
   は季語を置き換える。
◆ 季語は、正確に書きましょう、また季語には送り仮名は不要です。
   句の内容はいいのですが、季語は歳時記の表現に合わせた方がいいので「祭り」
   の「り」をのぞく除く。
       俳句を詠む時に気を付ける事の一つに

     ● テレビのプレバトでの夏井いつきさんや句会の指導者もよく言う事は

         俳句は「全部を言ってしまわないで、詠み手に想像させる」

         別の色々な詠み方がされるほど面白く楽しい俳句になると思いますが、、、

     ● 季重なり」については

         媛香さんのおっしゃるとおりと思います

         1句に1季語に越したことはないが、どうしても適当な語句が出て来ない

         場合はやむ得ませんよね。

         テレビの選者や句会の指導者が言うのは

         俳句は文字しかないので、季語を二つも使うのはもたいないし、どちらの季語に

         託すか句の焦点が曖昧になり、季語の持つ意味、役目が弱くなる。

         止むを得ない場合は、二つの季語が主と従の関係、強弱になる様に選べば

         問題ないと言われます。

         「俳句は短い詩なので省略が大切、省略して後は季語に託す」、そして「詠み

         手に任せる」と。「熟練者は別として、なるべく1句に1季語とし句の焦点を絞る。」と

         ついでに「1句に1動詞、また助詞の使い方に注意して句が季語の説明文になら

         ない様に」と入門書にありました。

         でもやはり一句一季語でやりましょう。ついでに一句一動詞で作りましょう。

  

番 号       俳句 及び コメント・詠替え等 
◇ 1番 昨夜雨今朝は晴天風は秋
コメント ※「昨夜雨」が詰まり気味。通常「昨夜の雨」、「夜来の雨」など
詠替えて ※夜来の雨 上がり陽射しの 風は秋
 
◇ 2番 徒花(あだばな)も虫呼ぶ囮茄子の花
コメント ※綺麗な花には棘、美味い話に穴がある  オレ詐欺にご注意を! 
詠替えて
  (高 越) 作句概要

 「茄子の花」に仇花がある様に詠みましたが

諺辞典に

「茄子の花と親の意見は千に一つも仇はない」

とありました。知りませんでした。両親も亡くなっていて

意見を聴くことも有れません。みなさん気が付いた時には

教えて下さい。(高越)

◇ 3番 夏猛ける感涙メダル光りけり
コメント ※「感涙メダル」が詰まり気味。五輪の終りと共に夏も終わるとしました。
詠替えて ※感涙に 光るメダルや 夏終る
 
◇ 4番 夏野菜朝の楽しみボウルもち
コメント ※「持ち」を漢字にし、季語「夏野菜」を下五へ。名詞止めにしました
詠替えて ※ボウル持ち 朝の楽しみ 夏野菜 / または「〜今朝の期待の 〜」
 
◇ 5番 病床に妻逝かむとす居待月
コメント ※「逝かむとす」の表現は如何かと。妻と共に病床から月を見た事に、、、
詠替えて ※病床の 妻と眺める 居待月 (又は遅い月の出なら「〜 寝待月」)
 
◇ 6番 寝返れば浴衣の糊の音たちぬ
コメント ※糊の音だから「たちぬ」は省略できる。(俳句は省略、読み手が想像)
 「〜ば〜」の仮定は理屈っぽいので、実感で詠んでみたらと思いました
詠替えて ※寝返りて □□□浴衣の 糊の音 (実感の言葉を入れて下さい) 
 
◇ 7番 アイスキャンデー最後の一本に「あたり」
コメント ※「あたり」が出ればもう一箱貰える?!。句の中に「」は駄目と言う先生
 も居るが内容次第か、夏井いつき組長はTVの添削で使っていましたね
詠替えて ※氷菓子の 最後の一本に 「あたり」  ( 破調の句 )
 
◇ 8番 空暗く銀杏並木は実付け重そう
コメント ※「空暗く 銀杏並木は 実付け重そう」  下五が字余りで重たい
 言葉が多いので上五は削除し、季語に「銀杏の実」があるので
詠替えて ※銀杏の実 鈴なる並木 枝垂れけり  
 
◇ 9番 夏の風手作コオロギササの上
コメント ※ササは「笹」。「手作り」の蟋蟀は季語にならないから「季重なり」は無い
詠替えて ※夏の風 手作こほろぎ 笹の上 / 秋の夜や 手作蟋蟀 笹の葉に
 
◇10番 地球儀で探す国の名夏五輪
コメント ※「夏五輪」の表現、普通は「夏の五輪」ですかね
詠替えて ※地球儀で 国の名夏の 五輪初(そ)む  (句またがりの句)
 
◇11番 浴衣着ていつしか母の顔となり
コメント ※娘さんの成長を喜ぶ父をさらりと上手く表現されている
詠替えて ※なし」
 
◇12番 濁流や崖の崩れて秋出水
コメント ※「濁流」と「秋出水」内容が近いので、切れ字をやめ一物仕立てにして
詠替えて ※ 山林も 家屋も崩れ 秋出水 / 今年また 同じ所に 秋出水
 
◇13番 今日も雨コロナはびこる立秋や
コメント ※上五をやめて、コロナウィルスが収まらないまま、秋が来てしまったと
詠替えて ※立秋や コロナウィルス 褪めぬまま / または「秋立つや 〜 」
 
◇14番 孫の手にセミの抜け殻怖くない
コメント ※「せみのぬ抜け殻」=空蝉(うつせみ)
詠替えて ※孫の手に 蝉殻ぼくは 怖くない   (中七は句またがり)
 
◇15番 聖花火炎の闘志オリンピア
コメント ※「聖花火 炎の闘志 オリンピア」と読みましたが、「聖花火」とは?  
詠替えて ※?
 
◇16番 はまゆうや熱砂のなかで詩ごよみ
コメント ※はまゆうは漢字で「浜木綿」とも。 「〜なかで」が口語的で説明。下五
 は綺麗な言葉ではあるが、抽象的で中七に対しての景が見えない。
詠替えて ※浜木綿や 熱砂の中の 波の音 / 浜木綿や 熱砂の中を 浜の風
 
◇17番 露の玉狭庭の草に一滴
コメント ※「狭庭」の読みは? 広辞苑、岩波新漢語辞典にも見当らない。以前に
「さにわ」と詠むとそれは無いと言われた。  露の玉に朝日が射して輝く
詠替えて ※前庭の 草に輝く 露の玉 / 庭先の 草に朝日や 露の玉 
 
◇18番 迎え火や焚くけば我が家に亡夫着きし
コメント ※「迎え火」と言えば「焚く」は不要。「我が家」も。亡夫が帰るのは我が家
 だから。「焚けば」と仮定で、下五の「し」は過去形の為整合が取れない
詠替えて ※迎え火や そろそろ亡夫も 着きし頃
  迎え火の 燃え尽き亡夫を 迎えけり
 
◇19番 汗や涙柔一本国旗揚げ
コメント ※「汗や涙」の「や」は切れ字の「や」とは異なる。&、ANDの意味
詠替えて ※投げ一本 汗と涙の 日章旗 
 ※国旗揚ぐ 汗と涙の 柔ら一筋
 
◇20番 傘さして墓に手合わせ曾孫たち
コメント ※中七で墓参の景と分かるが、季語としてはどうか?
詠替えて ※小さき手を 合わす曾孫の 墓参り (曾孫だから小さき手は要らない)
  (推敲後) 曾孫らの じいちゃんきたよと 墓詣(はかもうで) 
 
◇21番 苧殻焚き燃え尽きるまで独り言
コメント ※「独り言」は何をしゃべったのだろうか? 例えば般若心経? 
  亡き人との無言の会話? 
詠替えて ※ ×苧殻焚き 燃え尽きる迄 考妣呼び (×:言ってしまった)
    ×般若心経 苧殻火燃えて 尽きる迄 (×:言ってしまった)
 詠み替えて見ましたが、原句の方が色々想像出来て佳。
 
(注) 今回の詠み替えは五七五の間に一字分の空白を入れ、
リズム感を分かり易くしました。
通常詠む時は指定の在る時以外は詰めて書きます。 
繋ぎ部分の相互の言葉には気を付けて。
今一度、ブログの彰子先生編集の「俳句の作り方集
抜粋」編を再読し句作りに生かしましょう!

            以上 コメントをいろいろ述べてみましたがこれらについてご意見・
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