第 167 回 披 講
平成 30年11月 1日~平成 30年11月20日 投句分
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 紫 陽 花 の コメント
   初冬に入りました。朝夕は暖房がほしいようです。でもまだ日中は
   汗ばむこともあります。
   気候の変わり目、体を壊さないように気をつけましょう。。
    俳句も大分世間で騒がれるように、夏井先生のお陰ではないでしょうか。
    楽しいものです。おおいに発句を楽しみましょう。  
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夏井いつきさんの俳句バトル・俳句さく咲く等を参考に各気の付いた 
ことをコメントしていきたいと思います。会員の皆様も披講選句とは別に、各句
の気の付いたこと、また添削句を寄せて頂ければ幸いです。またその添削に対して 
の別な意見があれば寄せて頂きそれをこの画面で追加表示させて頂きます。 
従って、この画面は逐次更新していきますので次号が発表されるまで気の付いた 
ときに鑑賞して下さい。
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   ことばについて 01  (オノマトペ)について
   ことばについて 02 (いろいろな詠みのことば)について
   「俳句の形と切れ」について再考
   「俳句の字あまり」について再考
 各句の気の付いた点とかその他のコメントは、選句編集の
   後に付けております。ご希望の方は閲覧してください。
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  皆様から「特選」「入選」に選ばれるのを楽しみだったのに。
  (選句数からの判断でも良かったのに)の声が聞かれました。
  従って以前のように入選句として啓上することに致します。
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11 月 の コ メ ン ト 解 説
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     [季語は主役に]俳句の基本
    説明の言葉]を避ける
     言葉の無駄遣い]をしない 
     ④ 情景をしっかり[映像化]する
      ありふれた表現は避ける。
     17音には1つのポイントにする
      中七は字余りにしない 
      情景を鮮やかに
      助詞一つでオリジナリティー
      「も」は重ねて使うと効果的。
      説明的な表現を避ける
      語順を効果的に
      表現は、具体的に
      理屈より映像を
       語順だけで味が変わる 
       原因から結果の表現は避ける 
       季語を比喩に使うのは効果が薄れる 
      切れを有効的に使用する。
      言葉のイメージは時代により変化する。
      虚構には映像を補足する。
夏井いつき の 俳句プレバトより   
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         ちょっと感じたままに
  
注 1 上五の切れ字「や」の使用時に中七・下五で上五のことを説明または近
    い言葉で詠まない
          (切れが弱くなり切れ字を使う意味がなくなる)
注 2 三段切れ、又は説明文にならないように気をつけましょう。
       ◇◇◇投句前にもう一度歳時記で確認をしましょう◇◇◇
注 3 「ひつじ田」 漢字はありますがインターネットでは特殊な漢字は扱っていませんので
    あえてひらがなにしました。。
  NEW 注 4 使用した季語は一度歳時記でよく確かめてから使用しましう。
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◇ 1番 古岩屋崖に見事な紅葉あり
       コメント 紅葉は見事なものです
       読替えて 古岩屋崖に彩なす紅葉かな
◇ 2番 秋の潮海鵜迷いし堤防に
            季重ね  「海鵜」 は夏 「秋の潮」 は秋
          読替えて 秋潮や海鳥土手に影落とし
◇ 3番 川霧や棟梁の声湿りがち
    
     コメント  棟梁の心情を上手く詠まれている
            
◇ 4番 色変えぬ松や宮津の股のぞき
            コメント  「色変えぬ松」 この季語を知りませんでした。
                句 跨りで上手く作っています。 
  
◇ 5番 山峡に案山子の集う里があり
     
   コメント 説明的である。
          読替えて 捨案山子集ひての村起こす
◇ 6番 月光夜踊りたいよなチャチャチャ
        コメント 楽しい雰囲気です。俳句的表現で
          読替えて フィナーレをルンバで踊る月今宵
◇ 7番 寒の朝反射板付け老夫婦 
            コメント  何の反射板でしょうか、衛星放送のパラボラでしょうか。
          読替えて 寒暁を歩く夫婦の反射板
◇ 8番 和服着て茶髪親子の七五三
            コメント  現代の風刺がよく効いてます
          
          
◇ 9番 天高くヘリコプターの轟音や            
          季無し   「天高く」は季語ではありません。轟音や下五の表現がちょっと
           読替えて ヘリコプターの轟音吸いし秋の空
◇10番 散る紅葉煩悩さへも引き連れて
          コメント  煩悩まで連れて行くすごい紅葉ですね。「さえも」が散文的ですか。。
          読替えて 煩悩を乗せて散り行く紅葉かな
◇11番 実る穂に群てもつるる赤蜻蛉
          コメント  「実る穂に」蜻蛉が群れると言う表現がどうか。
          読替えて 実る穂の空を群れ行く赤蜻蛉
◇12番 難病の蜂窩織炎(ほうかしきえん)暮る秋
    
    コメント  蜂窩織炎に悩まされている。「暮る秋」季語には?「秋暮るる」に 
          読替えて 秋暮るる秋蜂窩織炎悩まされ
◇13番 古民家の軒端に割木秋深む
           コメント  竈、囲炉裏等に使うのでしょうか。リズムを整えて
           読替えて 秋深む古民家軒に割木積む
◇14番 満月や餅つく兎遠い過去
      コメント 三段切れになっています。
      読替えて
 遠き日の兎餅つく良夜かな
◇15番 秋深む亡き夫の靴磨き置く
      コメント 心情を上手く表現されている。動詞が二つ並ぶので。一つにして。
  
       読替えて  秋深し夫(つま)を偲びつ靴磨く
◇16番 昼下がり現世か黄泉か三尺寝
      コメント うたた寝の光景がよく表現されています。

  
              「三尺寝」は夏の季語、夏の句になります。
◇17番 柿落葉万羽の雀群れゐたる
         コメント  季語と取り合わせの関係、離れず近づかず
         読替えて 穭田に万羽の雀来て遊ぶ
◇18番 縁側や話の弾む小春の日
      コメント  場所に重点又は、人物に重点がよいか、上五を「や」で来ると「縁側」を
            強調しますが、弾む話か小春を主にしては。
      読替えて  小春日や話の弾む媼たち

          読替えて  小春日や友集まりて話の輪
◇19番 ミカン狩り山の斜面に驚くや
      コメント 季語は漢字で「蜜柑狩」季語では送り仮名「り」は不要。
      読替えて 蜜柑狩子等の悲鳴の傾斜かな

◇20番 白い息朝刊取りにデンチ着て
      コメント 「白い息」季語で「息白し」「白息」(しらいき)。
         読替えて  息白し朝刊取りにデンチ着て

         読替えて  息白し新聞受けへ急ぎけり
◇21番 散紅葉一枚拾い栞とす
      コメント 「拾い」は無くても分かります。
      読替えて  寂聴の句集に栞散紅葉 
       
   以上 コメントをいろいろ述べてみましたがこれらについてご意見・
ご感想があればどんどんメールでお知らせください。このページに追加して
皆さんに紹介します。

 メールアドレス:i-yama0812@lapis.plala.or.jp

TVの俳句バトル・俳句さく咲くなど結構参考になります。

番 号        入 選 12 句  俳 号
11 実る穂に群てもつるる赤蜻蛉 はなぶさ
14 満月や餅つく兎遠い過去 菜の花
15 秋深む亡き夫の靴磨き置く 媛 香
17 柿落葉万羽の雀群れゐたる べいこう
12 難病の蜂窩織炎(ほうかしきえん)暮る秋 石の花 
18 縁側や話の弾む小春の日
20 白い息朝刊取りにデンチ着て
秋の潮海鵜迷いし堤防に 媛 香
川霧や棟梁の声湿りがち べいこう
色変えぬ松や宮津の股のぞき 高 越
月光夜踊りたいよなチャチャチャ はなぶさ
寒の朝反射板付け老夫婦
番 号            特 選 5 句 俳 号
和服着て茶髪親子の七五三 投票 5 票 高 越
21 散紅葉一枚拾い栞とす 投票 5 票 媛 香
13 古民家の軒端に割木秋深む 投票 5 票 高 越
山峡に案山子の集う紙芝居 投票 4 票 石の花 
古岩屋崖に見事な紅葉あり 投票 2 票 石の花
互 選 句
最終更新日時 H.30.11.27 PM12:00
紫陽花