第 170 回 披 講
平成 31年 2月 1日~平成 31年 2月20日 投句分
2 月 の コ メ ン ト 解 説
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     [季語は主役に]俳句の基本
    説明の言葉]を避ける
     言葉の無駄遣い]をしない 
     ④ 情景をしっかり[映像化]する
      ありふれた表現は避ける。
     17音には1つのポイントにする
      中七は字余りにしない 
      情景を鮮やかに
      助詞一つでオリジナリティー
      「も」は重ねて使うと効果的。
      説明的な表現を避ける
      語順を効果的に
      表現は、具体的に
      理屈より映像を
       語順だけで味が変わる 
       原因から結果の表現は避ける 
       季語を比喩に使うのは効果が薄れる 
      切れを有効的に使用する。
      言葉のイメージは時代により変化する。
      虚構には映像を補足する。
夏井いつき の 俳句プレバトより   
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       NEW  ちょっと感じたままに
  
◆ 一般的に季語の選択では現在又は少し先の季語を使うようにしたい。過去の作句は季語を置き換える。
◆ 季語と一般的な言葉では送り仮名が異なるので注意(季語は送りかなが付かない場合が多い)。
◆ NHK俳句さくさくでよく言われているのが文語体と「切れ字」。切れ字は強調され句が引きしまる。
◆ 季重なりは無くなったが、五七五のリズムが今一。
◆ 何を言いたいか的を絞って簡潔に書く。 省略を徹底
◆ 何度も読み返して事の説明になっていないか見直す。(特に助詞の使い方)
  ◆ 一句の中で表現が文語と口語が混在するのは良くない。俳句大会等では一般的
  に文語が使われる。口語でも可能。NHK俳句作さくでは文語体を勧めている。
◆ 心(淋しい、悲しい、うれしい、美しいなど)は言わないで別の表現で分からせる。
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◇ 1番 長日本南ポカポカ北吹雪
       コメント  「長」はいらない。
       詠み替えて 
日本では南ポカポカ北吹雪 日本列島暖かくあり吹雪あり 
◇ 2番 切妻に入母屋の屋根春一番
       コメント  入母屋には切妻も含まれる。
       詠み替えて 春一番入母屋雨戸がたがたと
◇ 3番 懐かしき土盛り上げて蕗の薹      
       コメント  場所を明確に
       詠み替えて 川縁の土盛り上げて蕗の薹 蕗の薹川べりの土盛り上げて
◇ 4番 パリの冬オペラ座に舞うバレリーナ
       コメント  季語に場所人物動作明確にいい句だお思います。
       詠み替えて 冬のパリオペラ座に舞うバレリーナ 
◇ 5番 かぎろへり傾きなおす古時計
       コメント 
季語が有りません。「かぎろへり」意味が分かりません
      詠み替えて 冬壁に傾き時計掛けなほす 春の夜や傾き直す古時計 
◇ 6番 探梅行望めば遙か瀬戸の海
       コメント  「探梅行」は冬の季語いまなら観梅ですね
       詠み替えて 観梅や遙かに望む瀬戸の海 

◇ 7番 星空に梅の香があり帰り道 
       コメント  散文的なのを俳句的に
       詠み替えて 梅が香や星座煌めく帰り道
◇ 8番 椿さん祭り終わるや寒戻り
       コメント  季重り「祭」夏「寒もどる」春。
       詠み替えて 椿さん過ぎて我が家に寒戻る 椿さん終りし伊予路寒戻る 
 
◇ 9番 春日差し禅寺堂の猫の顔            
       コメント  暖かい春の日差しの禅寺に猫が居る風景ですね  
       詠み替えて 春の日差しや禅寺に猫の顔
◇10番 年越そばあと半世紀生きはせぬ
       コメント  年越蕎麦は冬の季語・「生きはせぬ」などと寂しいことは言わないで
       詠み替えて 大晦日家族団欒蕎麦をたぶ 立春や共に生きよう半世紀 
◇11番 古木とて影のいきづく冬晴れ間
       コメント  古老の芯の強さを上手く表現しています。「冬晴れ間」冬の季語
             季語は、少し先取りは良いが、過去の季節は古い句がバレバレなので
             過去に作った句も投句の季節に合わせるようにしましょう。
             この句は1月にも投句されています。
       詠み替えて 
古木にも影の息づく春日かな
◇12番 早春や埠頭の波の煌めきて
       コメント  波のきらめきが早春を援護しています。早春の景がよく見えます。
       詠み替えて 
◇13番 山茶花の道に振りそぐ花びらよ
            コメント    リズムがよろしくない。
            詠み替えて  山茶花の花弁散らして子等遊ぶ 山茶花の花びら道に降り注ぐ
◇14番 春立やテーブルテニス和やかに
       コメント  競技名として新鮮さであえてカタカナにしました。
       詠み替えて 春立や卓球友と和やかに 
◇15番 寒月や屋根瓦をもシルバーに
       コメント  寒月のしんしんと照らすさまを上手く表現していると想います。
       詠み替えて
 春月や瓦に光り柔らかく
◇16番 「2月14日」遺影に供えチョコレート
       コメント  想いがよく分かります。季語がありません。
       詠み替えて 
バレンタインデー遺影の夫へチョコレート
 
◇17番 職人で半世紀古希夫の匠
       コメント  季無し「古希」は季語ではない。
       詠み替えて 
春光や匠の夫へ古希祝
◇18番 あふれしむ小春にゆれる母の部屋
       コメント  この句は1月にも投句されています。「あふれしむ」語意が分かりません
             「小春」は冬の季語
       詠み替えて 春立や日脚溢るる母の部屋

   以上 コメントをいろいろ述べてみましたがこれらについてご意見・
ご感想があればどんどんメールでお知らせください。このページに追加して
皆さんに紹介します。

 メールアドレス:i-yama0812@lapis.plala.or.jp

TVの俳句バトル・俳句さく咲くなど結構参考になります。

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番号 入 選 10 句     俳 号
14 春立やテーブルテニス和やかに 石の花
星空に梅の香があり帰り道 石の花
春日差し禅寺堂の猫の顔
15 寒月や屋根瓦をもシルバーに 菜の花
17 職人で半世紀古希夫の匠 はなぶさ
かぎろへり傾きなおす古時計 べいこう
椿さん祭り終わるや寒戻り 菜の花
13 山茶花の道に振りそぐ花びらよ
16 「2月14日」遺影に供えチョコレート 媛 香
18 あふれしむ小春にゆれる母の部屋 べいこう
互 選 句
 紫 陽 花 の コメント
   新元号の発表は4月1日。どんな元号か知るよしもないですが
   楽しみにしています。
   この句会も皆さん高齢化の波にさらされて会員も少なくなりました。
     新しい会員が増えることを念願に皆さん俳句を楽しみましょう。
     
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夏井いつきさんの俳句バトル・俳句さく咲く等を参考に各気の付いた 
ことをコメントしていきたいと思います。会員の皆様も披講選句とは別に、各句
の気の付いたこと、また添削句を寄せて頂ければ幸いです。またその添削に対して 
の別な意見があれば寄せて頂きそれをこの画面で追加表示させて頂きます。 
従って、この画面は逐次更新していきますので次号が発表されるまで気の付いた 
ときに鑑賞して下さい。
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   ことばについて 01  (オノマトペ)について
   ことばについて 02 (いろいろな詠みのことば)について
   「俳句の形と切れ」について再考
   「俳句の字あまり」について再考
 各句の気の付いた点とかその他のコメントは、選句編集の
   後に付けております。ご希望の方は閲覧してください。
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  皆様から「特選」「入選」に選ばれるのを楽しみだったのに。
  (選句数からの判断でも良かったのに)の声が聞かれました。
  従って以前のように入選句として啓上することに致します。
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番 号            特 選 5 句 俳 号
12 早春や埠頭の波の煌めきて 投票 5 票 媛 香
探梅行望めば遙か瀬戸の海 投票 4 票 媛 香
懐かしき土盛り上げて蕗の薹 投票 3 票 石の花
パリの冬オペラ座に舞うバレリーナ 投票 3 票 はなぶさ 
11 古木とて影のいきづく冬晴れ間 投票 3 票 べいこう
紫陽花