第 176 回 披 講
8 月 の コ メ ン ト 解 説
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     [季語は主役に]俳句の基本
    説明の言葉]を避ける
     言葉の無駄遣い]をしない 
     ④ 情景をしっかり[映像化]する
      ありふれた表現は避ける。
     17音には1つのポイントにする
      中七は字余りにしない 
      情景を鮮やかに
      助詞一つでオリジナリティー
      「も」は重ねて使うと効果的。
      説明的な表現を避ける
      語順を効果的に
      表現は、具体的に
      理屈より映像を
       語順だけで味が変わる 
       原因から結果の表現は避ける 
       季語を比喩に使うのは効果が薄れる 
      切れを有効的に使用する。
      言葉のイメージは時代により変化する。
      虚構には映像を補足する。
夏井いつき の 俳句プレバトより   
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       NEW  ちょっと感じたままに
  
◆ 一般的に季語の選択では現在又は少し先の季語を使うようにしたい。過去の作句は季語を置き換える。
◆ 季語と一般的な言葉では送り仮名が異なるので注意(季語は送りかなが付かない場合が多い)。
◆ NHK俳句さくさくでよく言われているのが文語体と「切れ字」。切れ字は強調され句が引きしまる。
◆ 季重なりは無くなったが、五七五のリズムが今一。
◆ 何を言いたいか的を絞って簡潔に書く。 省略を徹底
◆ 何度も読み返して事の説明になっていないか見直す。(特に助詞の使い方)
  ◆ 一句の中で表現が文語と口語が混在するのは良くない。俳句大会等では一般的
  に文語が使われる。口語でも可能。NHK俳句作さくでは文語体を勧めている。
◆ 心(淋しい、悲しい、うれしい、美しいなど)は言わないで別の表現で分からせる。
番 号 入 選 13 句        俳 号
この一病生涯の友サルスベリ 媛 香
15 星月夜渚に白き泡の跡 石の花
19 窓際にきて一斉高き蝉の声
台風の去って被害の無かりけり 浩 風
10 外来種の白百合あまた阿波路入る 高 越
11 苧殻焚き静かに送り天仰ぐ 媛 香
17 直撃の台風情報知る被害 浩 風
21 若竹の勢い増して空が鳴る べいこう
23 雨戸しめ台風を待つ二人かな 浩 風
迎火や嵐の中を着きたるか 媛 香
バードコール人がまづくる夏木立 べいこう
梅雨明けや被災の地域復興す 石の花
14 法師ゼミ季節の移ろいヒシヒシと
令和元年 8月 1日~令和 元年 8月20日 投句分
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若草句会 掲示板
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◇ 1番 台風の去って被害の無かりけり
紫陽花 コメント 口語(去って)と文語(無かり)が混在。どちらかに統一を。
読替えて 台風去り伊予に被害の無かりけり / 台風一過被害少なく安堵せり
◇ 2番 バードコール人がまづくる夏木立
紫陽花 コメント 「まずくる」の意味?
読替えて
◇ 3番 この一病生涯の友サルスベリ
紫陽花 コメント 三段切れ? この季語は平仮名(さるすべり)か漢字(百日紅)で。
読替えて 一病は一期(ゴ)の友よ百日紅 / 百日紅一病一期の友とせむ
◇ 4番 石鎚に台風の声盆の空
紫陽花 コメント 台風、盆はともに秋の季語。石鎚、台風、盆と項目が多いので
読替えて 石鎚連邦伊予に台風盾となり
◇ 5番 一夜鮨提げて訪ねる病む妻へ
紫陽花 コメント 複合動詞?[提げて訪ねる」はどちらか一方でもいいかも
読替えて 病む妻を見舞う手作り一夜鮨  /  病む妻へ男の作る一夜鮨
◇ 6番 甲子園汗と涙で砂詰める
紫陽花 コメント TVで毎回見る風景だが、TVネタはカメラマンの主観内に留まる恐れありと。
読替えて 「灼くる土涙で詰めるベンチ前」これもTVの実況中継と言われました。
◇ 7番 曼茶羅華新盆迎え母へ経
紫陽花 コメント 曼荼羅華は天上に咲くと言われる花。
読替えて 曼荼羅華新盆の妣(はは)へ経唱ふ
◇ 8番 外灯の虫も暑かろ半夏生
紫陽花 コメント 虫、暑い、半夏生全て季語。句意と異なるが、街灯に集まる虫を詠む
読替えて 街灯下に死んだ素振りの黄金虫
◇ 9番 梅雨明けや被災の地域復興す
紫陽花 コメント
読替えて 梅雨明けて復興工事再開す
◇10番 外来種の白百合あまた阿波路入る
紫陽花 コメント 高速道の法面には白い百合の花が沢山咲いています
読替えて 老老運転高速道に百合の花
◇11番 苧殻焚き静かに送り天仰ぐ
紫陽花 コメント 「苧殻(おがら)焚き」は迎火、送火の事。秋の季語
読替えて 魂送視線は暗き空の果て
◇12番 サルスベリ風にあわせてフラダンス
紫陽花 コメント 風に揺れる百日紅をフラの踊りに比喩。「さるすべり」は平仮名で
読替えて さるすべり(又は「百日紅」)風にあわせてフラダンス
◇13番 清流の流しそうめん風すがし
紫陽花 コメント 季語無し。「すがし」は「涼し」の間違いでは?
読替えて 清流の流しそうめん風涼し / 清流を吹き来る風や冷素麺
◇14番 法師ゼミ季節の移ろいヒシヒシと
紫陽花 コメント つくつく法師の鳴き声で秋の訪れに気付いた。 「セミ」は「せみ、蝉」
読替えて 法師蝉に季の移ろいを教えられ
◇15番 星月夜渚に白き泡の跡
紫陽花 コメント 静寂な浜辺の風景。  「泡」は白い。泡が消えて行く様子に替えて
読替えて 星月夜渚に消える泡の音
◇16番 墓参りサービスエリアに踊り唄
紫陽花 コメント 墓参、踊唄はともに秋の季語。 墓参り、踊り唄の「り」は不要
読替えて 阿波路行く道の駅にも踊唄
◇17番 直撃の台風情報知る被害
紫陽花 コメント 伊予に直撃の台風だが被害は僅かで遠く離れた場所に被害が。
読替えて
◇18番 台風や日本全土を脅かし
紫陽花 コメント 17番に同じ
読替えて
◇19番 窓際にきて一斉高き蝉の声
紫陽花 コメント 窓際に来て突如鳴く蝉に驚き
読替えて 窓際に止まりし蝉の高き声
◇20番 青田のごとく波浪に消えし戦艦陸奥
紫陽花 コメント 比喩の句は難しい。詠む人により100点か0点と言われる
読替えて 終戦記念日今だ目覚めぬ海底の陸奥
◇21番 若竹の勢い増して空が鳴る
紫陽花 コメント 「空が鳴る」? 「風が鳴る」でリフレイン 字余りで破調だ・・・・・
読替えて 若竹の勢い風が鳴る空が鳴る
◇22番 菩提寺に家族揃いぬ初盆会
紫陽花 コメント 菩提寺では初盆の家毎に本堂で盆供養を行いました。
読替えて 菩提寺に家族の揃う初盆会
◇23番 雨戸しめ台風を待つ二人かな
紫陽花 コメント 台風を待つのでなく通過を待つとしました
読替えて 雨戸閉じ台風通過を待つ二人 / ~を待ちにけり
◇24番 迎火や嵐の中を着きたるか
紫陽花 コメント 盆の最中に台風。全国の交通も大混乱。魂もも無事帰り着くか心配
読替えて 天仰ぎ嵐の中の魂迎
   以上 コメントをいろいろ述べてみましたがこれらについてご意見・
ご感想があればどんどんメールでお知らせください。このページに追加して
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番 号            特 選 5 句 俳 号
一夜鮨提げて訪ねる病む妻へ 投票 5 票 石の花
甲子園汗と涙で砂詰める 投票 4 票 菜の花
外灯の虫も暑かろ半夏生 投票 4 票 はなぶさ
13 清流の流しそうめん風すがし 投票 4 票 はなぶさ
22
菩提寺に家族揃いぬ初盆会 投票 3 票 高 越
互 選 句
 紫 陽 花 の コメント
   8月も下旬になるとあれほどの暑さも大分和らぎ、過ごしやすくなります。
   朝夕の涼しさを満喫して、楽しい人生を過ごしましょう。
     オリンピックもあと1年を切りました。よくもま~生きてこられたものと・・・・・
   この句会も皆さん高齢化の波にさらされて会員も少なくなりました。
     新しい会員が増えることを念願に皆さん俳句を楽しみましょう。
 
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夏井いつきさんの俳句バトル・俳句さく咲く等を参考に各気の付いた 
ことをコメントしていきたいと思います。会員の皆様も披講選句とは別に、各句
の気の付いたこと、また添削句を寄せて頂ければ幸いです。またその添削に対して 
の別な意見があれば寄せて頂きそれをこの画面で追加表示させて頂きます。 
従って、この画面は逐次更新していきますので次号が発表されるまで気の付いた 
ときに鑑賞して下さい。
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   ことばについて 01  (オノマトペ)について
   ことばについて 02 (いろいろな詠みのことば)について
   「俳句の形と切れ」について再考
   「俳句の字あまり」について再考
 各句の気の付いた点とかその他のコメントは、選句編集の
   後に付けております。ご希望の方は閲覧してください。
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  皆様から「特選」「入選」に選ばれるのを楽しみだったのに。
  (選句数からの判断でも良かったのに)の声が聞かれました。
  従って以前のように入選句として啓上することに致します。
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紫陽花