9月 の コ メ ン ト 解 説
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     [季語は主役に]俳句の基本
    説明の言葉]を避ける
     言葉の無駄遣い]をしない 
     ④ 情景をしっかり[映像化]する
      ありふれた表現は避ける。
     17音には1つのポイントにする
      中七は字余りにしない 
      情景を鮮やかに
      助詞一つでオリジナリティー
      「も」は重ねて使うと効果的。
      説明的な表現を避ける
      語順を効果的に
      表現は、具体的に
      理屈より映像を
       語順だけで味が変わる 
       原因から結果の表現は避ける 
       季語を比喩に使うのは効果が薄れる 
      切れを有効的に使用する。
      言葉のイメージは時代により変化する。
      虚構には映像を補足する。
夏井いつき の 俳句プレバトより   
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       NEW  ちょっと感じたままに
  
◆ 一般的に季語の選択では現在又は少し先の季語を使うようにしたい。過去の作句は季語を置き換える。
◆ 季語と一般的な言葉では送り仮名が異なるので注意(季語は送りかなが付かない場合が多い)。
◆ NHK俳句さくさくでよく言われているのが文語体と「切れ字」。切れ字は強調され句が引きしまる。
◆ 季重なりは無くなったが、五七五のリズムが今一。
◆ 何を言いたいか的を絞って簡潔に書く。 省略を徹底
◆ 何度も読み返して事の説明になっていないか見直す。(特に助詞の使い方)
  ◆ 一句の中で表現が文語と口語が混在するのは良くない。俳句大会等では一般的
  に文語が使われる。口語でも可能。NHK俳句作さくでは文語体を勧めている。
◆ 心(淋しい、悲しい、うれしい、美しいなど)は言わないで別の表現で分からせる。
第 177 回 披 講
番 号 入 選 15 句        俳 号
曽孫のねじり鉢巻き秋祭り
15 コスモス園風に遊ばれ花の波 媛 香
16 朝霧に伸びる煙突凪の瀬戸 高 越
澄みし秋夫の法要終え安堵 菜の花
星月夜静かに眠る棚田有り 石の花
10 晩夏さす苦きコーヒー味わゑり はなぶさ
13 競いつつ干し物しまう残り蚊と
23 若竹の勢い増して空が鳴る 菜の花
24 元気よく季節に答え彼岸花 浩 風
半纏にはちまき勇み祭りの子 はなぶさ
蟬時雨静寂破るゴルフ場 媛 香
19 塀よりの水面に枝垂れ映す萩 菜の花
20 月見団子供える妣(はは)の新位牌 高 越
21 憂い秘め日陰の花や秋海棠 べいこう
22 スマホにて曾孫の二人見てふたり
 
令和元年 9月 1日~令和 元年 9月20日 投句分
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若草句会 掲示板
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◆ 一般的に季語の選択では現在又は少し先の季語を使うようにしたい。過去の作句は季語を置き換える。
 
◇ 1番 澄みし秋夫の法要終え安堵
紫陽花 コメント 「澄みし」は過去形になる。「澄む秋や……」 又は、「秋澄むや」「秋澄める」
詠替えて 夫の法要終えて安堵や秋気澄む / 秋澄むや夫の法要終え安堵
◇ 2番 半纏にはちまき勇み祭りの子
紫陽花 コメント 祭りの子供の説明の様です。「祭」は夏の季語
詠替えて 地区毎に半纏揃え秋祭 / 秋祭半纏子等の勇ましき
◇ 3番 石手寺に願掛け参り葉月かな
紫陽花 コメント 「参り」は不要。何を願掛けたのか具体的に。八月だから
詠替えて 石手寺に平和祈願の葉月かな
◇ 4番 蟬時雨静寂破るゴルフ場
紫陽花 コメント ゴルフ場が静寂破る? 語順を変えて分かり易く
詠替えて ゴルフ場静寂破る蝉時雨
◇ 5番 曽孫のねじり鉢巻き秋祭り
紫陽花 コメント 元気で活発な曾孫さんの姿が見えます
詠替えて
◇ 6番 クライミング飛びつきダラリ残る菊
紫陽花 質 問 意味不明。作者の作意を教えて下さい。
回 答
◇ 7番 浜風や稲穂を揺らし通り抜け
紫陽花 コメント 浜風が稲穂を揺らして通り過ぎました。散文的。
切れ「かな」で季語「稲穂」を強調しました。
詠替えて 潮の香の風に揺らぎぬ稲穂かな
◇ 8番 星月夜静かに眠る棚田有り
紫陽花 コメント 夜の棚田の静寂な景が見えます。
「有り」は不要。季語を下五に置けば安定感。
詠替えて 静寂の峡の棚田や星月夜
◇ 9番 スマホにて曾孫の二人見てふたり
紫陽花 コメント 季無し。「二人、ふたり」のリフレイン表現よりも
見た物を具体的に書いた方が分かり易い
詠替えて 運動会の走る曾孫をスマホにて
◇10番 晩夏さす苦きコーヒー味わゑり
紫陽花 コメント 「晩夏」夏の季語。旧かなは「味はふ」
詠替えて コーヒーの苦み味わう夜半の秋
◇11番 御手洗(みたらし)に円玉沈め秋遍路
紫陽花 コメント 札所寺の手洗に一円玉を入れ一礼して手を清め
本堂へお参りに行かれました。
詠替えて 御手洗に円玉納め秋遍路
◇12番 菊人形薫りよけれど無表情
紫陽花 コメント 人形だから無表情。良い処を探してあげて。
詠替えて 菊人形の瞳つぶらで黒髪で / 黒髪のつぶらな瞳菊人形
◇13番 競いつつ干し物しまう残り蚊と
紫陽花 コメント 「蚊」夏の季語ですが、秋は「秋の蚊 / 残る蚊」
詠替えて 干し物仕舞う残る蚊を払いつつ
◇14番 明け近しうつつで聞きし虫の声
紫陽花 コメント 夢うつつで聞く虫はどんな声だったのだろうか
詠替えて
◇15番 コスモス園風に遊ばれ花の波
紫陽花 コメント 「コスモス」秋「花」春。花が風に遊ばれているのか?、
園内で子供が遊んでるのか?
詠替えて コスモス園に風と戯る子等の声
◇16番 朝霧に伸びる煙突凪の瀬戸
紫陽花 コメント 紙の町川之江~三島の風景です
詠替えて
◇17番 震災忌千年和鐘打ち鳴らせ
紫陽花 コメント 和鐘の意味? 震災忌は大正12年9月1日の関東大震災の
犠牲者を東京本所の慰霊堂で行う慰霊祭。その鐘か?
詠替えて 百余年続く鐘の音震災忌 / 震災忌慰霊の鐘は永遠に
◇18番 耕運機子に任せいる敬老日
紫陽花 コメント 「任せいる」は「任せる」で良いのでは?
詠替えて 耕運機吾子に任せる敬老日
◇19番 塀よりの水面に枝垂れ映す萩
紫陽花 コメント 説明的表現。水面だから映すは不要かも
詠替えて 堤より水面に垂れし萩の花(または 野萩かな)
◇20番 月見団子供える妣(はは)の新位牌
紫陽花 コメント 妣(はは)は死んだ母の事。死んでも母は母。
詠替えて 月見団子供える母の新位牌
◇21番 いちじくとついばむおりぬ椋(むく)の群
紫陽花 コメント 「花」春、「秋海棠」秋。憂い秘めは強過ぎでは?
詠替えて 秋海棠伏し目に咲きぬ木下蔭
◇22番 いちじくとついばむおりぬ椋(むく)の群
紫陽花 コメント 季重り「いちじく」秋「椋鳥」秋
詠替えて 無花果熟るる吾より先に今朝の鳥
◇23番 元気よく季節に答え彼岸花
紫陽花 コメント 擬人化の効果は?。季節の到来に敏感な曼珠沙華を
詠替えて 曼珠沙華季の移ろいを敏感に
◇24番 畑仕事手を休めゐる秋の空
紫陽花 コメント 「休めゐる」は「休める」「休めし」でもよいかも?
詠替えて 畑仕事の手を置き眺む鰯雲(または 秋の空)
    
以上 コメントをいろいろ述べてみましたがこれらについてご意見・
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番 号            特 選 5 句 俳 号
12 菊人形薫りよけれど無表情 投票 5 票 べいこう
18 耕運機子に任せいる敬老日 投票 5 票 浩 風
石手寺に願掛け参り葉月かな 投票 4 票 石の花
浜風や稲穂を揺らし通り抜け 投票 3 票 媛 香
14
明け近しうつつで聞きし虫の声 投票 3 票 石の花
互 選 句
 紫 陽 花 の コメント
   8月も下旬になるとあれほどの暑さも大分和らぎ、過ごしやすくなります。
   朝夕の涼しさを満喫して、楽しい人生を過ごしましょう。
     オリンピックもあと1年を切りました。よくもま~生きてこられたものと・・・・・
   この句会も皆さん高齢化の波にさらされて会員も少なくなりました。
     新しい会員が増えることを念願に皆さん俳句を楽しみましょう。
 
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夏井いつきさんの俳句バトル・俳句さく咲く等を参考に各気の付いた 
ことをコメントしていきたいと思います。会員の皆様も披講選句とは別に、各句
の気の付いたこと、また添削句を寄せて頂ければ幸いです。またその添削に対して 
の別な意見があれば寄せて頂きそれをこの画面で追加表示させて頂きます。 
従って、この画面は逐次更新していきますので次号が発表されるまで気の付いた 
ときに鑑賞して下さい。
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   ことばについて 01  (オノマトペ)について
   ことばについて 02 (いろいろな詠みのことば)について
   「俳句の形と切れ」について再考
   「俳句の字あまり」について再考
 各句の気の付いた点とかその他のコメントは、選句編集の
   後に付けております。ご希望の方は閲覧してください。
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  皆様から「特選」「入選」に選ばれるのを楽しみだったのに。
  (選句数からの判断でも良かったのに)の声が聞かれました。
  従って以前のように入選句として啓上することに致します。
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紫陽花